1998 Fiscal Year Annual Research Report
放射線肺臓炎発症機序の解明(一酸化窒素NOの関与)
| Project/Area Number |
09670630
|
|---|
| Research Institution | Tokai University |
|---|
Principal Investigator |
辻 千鶴子 東海大学, 医学部, 講師 (80130079)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広田 有希 蓮見癌研究所, 助手
谷垣 俊守 東海大学, 医学部, 講師 (90246091)
塩谷 寿美恵 東海大学, 医学部, 助教授 (20102840)
|
|---|
| Keywords | 一酸化窒素(NO) / 放射線肺臓炎 / 誘導型NO合成酵素(iNOS) / アミノグアニジン / ニトロチロシン / 放射線 / 急性肺傷害 |
|---|
| Research Abstract |
放射線による肺臓炎およびその後に進展する肺線維化は放射線治療の際に放射線のdoseや応用を制限する重大な問題であるが、その病態発生機序は現在までのところ十分に解明されていない。本研究は放射線肺臓炎発生機序の解明を目指し、特にNOの役割を解明することを目的としている。昨年度までに放射線傷害の発生にNOが関与することが示されたので、今年度はNOの傷害機序の解明を目指した。昨年同様、ラット左胸部に^<60>Co 20Glyを照射して放射線照射モデルを作成し、NOにより作られる細胞傷害性のニトロチロシンを肺組織ホモジネートについてHPLCで測定し、組織標本についてイムノ染色をおこなって、生成部位、傷害との関係について検討した。また、放射線による急性肺傷害を抑制したiNOS阻害剤のアミノグアニジン投与群についても同様の検討をおこなった。その結果、HPLCでの測定ではコントロール肺ではニトロチロシンは検出されなかったが、放射線照射2週目で検出された。組織のイムノ染色では放射線照射肺の肺胞上皮細胞および肺胞マクロファージに陽性で、傷害部位と染色陽性部位は一致する傾向であった。アミノグアニジンの投与は、HPLC、イムノ染色ともにニトロチロシンの産生を低下させた。これらの結果からNOの放射線による肺傷害作用にはニトロチロシンの産生が重要であることが示唆された。今回はiNOS阻害剤としてアミノグアニジンを用いたが、アミノグアニジンの連続投与は血清中のLDH値を上昇させ、何らかの副作用が疑われた。放射線傷害への応用に関してはさらに検討する必要があるものと考えられる。
|
Research Products
(1 results)
