1998 Fiscal Year Annual Research Report
ブレオマイシン肺線維症における構造改築とマトリックスメタロプロテアーゼの関与
Project/Area Number |
09670632
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
福田 悠 日本医科大学, 医学部, 助教授 (60097037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 正通 日本医科大学, 医学部, 助教授 (40096954)
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Keywords | 肺線維症 / ブレオマイシン / 再生上皮細胞 / BAL / MMP / MT-MMP / TIMP / Gelatin zymography |
Research Abstract |
経気道的に、ウサギにブレオマイシンを投与することにより、実験的肺線維症モデルを作成し検討した。ブレオマイシン投与後1週間ほどで肺胞腔内に線維化が形成された。その後,線維化巣は肺胞壁に癒合したり肺胞腔を閉塞し、気道上皮細胞・肺胞上皮細胞の再生により被われた。さらに時間が経つと、線維化巣は縮少傾向を示し、上皮細胞の再生に伴い肺胞の再構築所見が観察された。免疫組織化学による観察では,マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)-1,-2,-9、そのインヒビター(TIMP)-2を再生上皮細胞に認めた。さらに、生体内で唯一のMMP-2の活性化因子であることが知られている膜型(MT-1)のMMPは、線維化巣の気道上皮細胞、肺胞上皮細胞由来の再生上皮に限局して陽性であった。肺組織のGelatin zymographyによる観察では,コントロールに比較して、後期にMMP-2の優位な増加、およびMMP-2の活性型/不活型の比率の優位な増加を認めた。また、気管支肺胞洗浄液(BALF)の液体成分のgelatin zymographyによる解析で、同様にMMP-2の優位な増加、およびMMP-2の活性型/不活型の比率の優位な増加を認めた。この、MMP-2の活性化に、局所で増生、再生した上皮細胞由来のMT-1MMPが関与することが考えられた。MMP-2の活性型/不活型の比率の優位な増加は、肺組織の修復、すなわち上皮細胞による線維化巣の封じ込めの過程に働いていることが示唆され、生体にとって有利な状況を示すと考えられた。また、BALFでも組織と同様のgelatin zymographyの結果が得られたことは、将来臨床への応用の可能性を示唆するものと考えられた。
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Research Products
(1 results)