1998 Fiscal Year Annual Research Report
パラインフルエンザウイルス4型の全遺伝子解明とその分子疫学的研究
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09670633
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
駒田 洋 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 助教授 (10144247)
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Keywords | パラインフルエンザウイルス4型 / 不完全増殖 / ウイルス非許容細胞 / プロテアーゼ |
Research Abstract |
一般的に、ウイルスの増殖には細胞側の因子が不可欠であり、また細胞の代謝産物やインターフェロンがウイルスの増殖を抑制する場合もある。パラインフルエンザウイルス4型(HPIV-4)は、初代サル賢細胞(PMK)でのみ増殖できる。本実験でHPIV-4非許容細胞であるLLCMK2、L929細胞における、HPIV-4の不完全増殖の機構の解析を行った。ウイルスはHPIV-4、4Bを細胞はPMK、LLCMK2、L929を用いた。ウイルス増殖は赤血球吸着法で解析した。また関節蛍光抗体法、免疫沈降法、PCR法等でウイルス抗原、ウイルスmRNA検出した。LLCMK2ではトリプシンの添加によりウイルスが増殖した。しかしPMKに比べると24時間の遅れが観察された。L929細胞ではトリプシンは無効であった。また、アクチノマイシンD、シクロへキシミド、マイトマイシンC、抗インターフェロン抗体には効果はなかった。ウイルス非許容細部においても少数の細胞でNP、HNタンパク質が合成されていることが、またNPタンパク質のmRNAが合成されていることが判明した。 以上のことからHPIV-4A、4BのLLCMK2細胞における不完全増殖にはこれらウイルスのFタンパク質をクリーブするトリプシン様プロテアーゼの非存在が関与していることが考えられた。しかしながらL929細胞における不完全増殖は別のメカニズムによるものと思われた。
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Research Products
(1 results)