1998 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症における脊髄および脳幹運動ニューロンの変性過程に関する単一運動単位を用いた研究
Project/Area Number |
09670653
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
幸原 伸夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (20252439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 淳 京都大学, 名誉教授 (10204976)
梶 龍兒 京都大学, 医学研究科, 講師 (00214304)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 単一運動単位 / PSTH / 顔面神経核 / 運動ニューロン / 皮質脊髄路 |
Research Abstract |
筋萎縮性側索硬化症の病態を十分に解明するために運動ニューロン系の変性過程の理解が必要である.磁気刺激や電気刺激が単一運動単位への発火パターンに及ぼす影響を検討することで運動ニューロンの変性過程の情報を得ることができる.本研究では脊髄運動ニューロンのシナプス部の病態検索に加えて,脊髄前角運動ニューロン自体の変性、および脳幹運動ニューロンの病態についての情報を得ることを目的として,従来の磁気刺激による手筋の記録に加えて,瞬目反射を利用した脳幹運動ニューロンの検索をおこなった。 初年度はソフトウエアの開発を主眼とした。最終的に1)peristimulus time histogram analysis、2)frequency analysisをPC上で容易に行えるプログラムのプロトタイプをC言語を用いて作成した。2年目はこのプログラムを用いて正常者,筋萎縮性側索硬化症患者,パーキンソン病患者の手筋,眼輪筋よりデーターを集積した.具体的には頭部磁気刺激によって手筋の運動単位や三叉神経電気刺激で生じる眼輪筋の運動単位の興奮性変化を解析した.正常者とパーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症患者について記録し,筋萎縮性硬化症の脊髄運動ニューロンは興奮性が上昇しており,正常では賦活されにくい遅い皮質脊髄路ないし多シナプス系が賦活された。またパーキンソン病患者の顔面神経運動ニューロンも正常対照群に比して,興奮性の上昇をみとめた。筋萎縮性側索硬化症の顔面神経運動ニューロンでは興奮性の増大のほか興奮後の抑制増大もみとめられた。 以上の結果は,筋萎縮性側索硬化症では残存する運動ニューロンの興奮性が一般に上昇しており,このことが本疾患における最終的な細胞死と関連するものと推定される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kohara N,et al.: "An electrophy siological study of the corticospinal projections in amyotrophic laterul sclerosis." Clinical Neurophysiology. (in press).
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[Publications] 幸原 伸夫: "臨床検査としての経頭蓋磁気刺激法と運動ニューロン疾患" 臨床神経学. 37. 1152-1153 (1997)
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[Publications] Mills KR & Kohara N: "“Physiology of ALS and related disorders"Chap14 Magnetic stimulation in ALS" (Amsterdam) Elsevier(分担), 14(177-191) (1997)
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[Publications] 幸原 伸夫: "神経筋疾患:経皮的磁気刺激法による運動ニューロンの検索" 中山書店(分担), 8(278-285) (1998)