1998 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア病におけるチトクロームCによるアポトーシス誘導に関する研究
Project/Area Number |
09670661
|
Research Institution | KUMAMOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
箕田 修治 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30231616)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 誠 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (20117336)
|
Keywords | ミトコンドリア脳筋症 / 変異ミトコンドリアDNA / チトクロームC / アポトーシス / アポトーシス関連蛋白 / immunohistochemistry / RT-PCR |
Research Abstract |
本研究の目的はミトコンドリア(mt)DNAの変異によって生じるmt病の神経・筋細胞変性機序へのcytochrome c(Cyt-C)によるアポトーシス誘導の関与を明らかにすることである。昨年度,ヒト末梢血単核球(PBMC)およびマウス培養筋細胞に種々の濃度のCyt-Cを添加し,経時的にアポトーシスの有無を観察したが,Cyt-C添加後72時間内での形態的変化やDNA断片化は認めなかった。これはアポトーシス過程の誘導→決定→実行という最終段階の現象をみたものであり,決定に至る過程でのアポトーシス関連蛋白の変化を検討する必要がある。そこで本年度は以下の研究を行った。 1, アポトーシス関連蛋白の発現を検討するため,各種抗体を用いたimmunoblot(IB),immunohistochemistry(IHC)およびRT-PCRにより,蛋白およびmRNAレベルで半定量的評価が可能なシステムを確立する。 (1) BcI-2,Bax,BcI-x,ICH-1_L,TIAR,Bad等のアポトーシス関連蛋白の抗体を数社より購入し,IBやIHCを用いて抗体の良否を検討した。IBでBcI-2,ICH-1_L,TIAR,Badは働いたが,Bax,BcI-xは働かなかった。同様の抗体を用いてIHCを施行し,染色された組織の特異性について検討中である。 (2) 特にBcI-2,Baxに対するprimer pairを作成し,RT-PCRの基礎実験を行い,陽性細胞では各々mRNAを検出できた。しかしながら,PBMCではBcI-2,Bax mRNAを検出できなかった。発現量あるいは感度の問題か,更なる検討を必要とした。 2. mt脳筋症患者生検筋でのCyt-C増加の有無を明らかにするため,抗ヒトCyt-C抗体を用いてIHCを行い,preriminalyな結果では明かな陽性筋線維を認めなかった。今後,抗体の良否,感度の検討を行い,再検討予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 徳永 誠他: "変異ミトコンドリアDNAのsingle-fiber PCR法" 日本臨床. 55・12. 207-210 (1997)
-
[Publications] 箕田修治: "筋萎縮性側索硬化症の運動神経細胞変性におけるアポトーシス関連タンパクの役割" 熊本医学会雑誌. 71・1. 94-96 (1997)
-
[Publications] 藤本 伸他: "炎症性反応をともなった慢性進行性外眼筋麻痺症候群の1例" 臨床神経学. 38. 228-232 (1998)
-
[Publications] Mita S et al.: "Single muscle fiber analysis of myoclonus epilepsy with ragged-red fibers(MERRF)" Muscle Nerve. 21. 490-497 (1998)