1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 講師 (70197234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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Keywords | 脳虚血 / CNOO^- |
Research Abstract |
Peroxynitrite生成の指標としてONOO^-とL-tyrosineとが反応して生じる3-nitro-L-tyrosine(NO_2-Tyr)を用い、一過性2時間局所脳虚血再灌流後のNO_2-Tyrの生成を部位別・経時的に測定し、更にaminoguanidine(AG)投与の影響について検討した。【方法】雄SD rat 107匹を用い2時間の左中大脳動脈一過性閉塞および同側総頚動脈閉塞を行った。ラットは12群に分け、再灌流0、1、6、24、48、72時間群および各々の時間におけるAG投与群とした。脳を非梗塞部、梗塞周辺部、皮質梗塞部、基底核梗塞部に分割し、酸加水分解後HPLCでNO_2-Tyr量を検出し、NO_2-Tyr生成率を算出した。一方、虚血再灌流後に生成されたNO_2-Tyrがいかに代謝分解されるかを解明するため、2時間閉塞+24時間再灌流を負荷後L-NMMA 50mg/kgを腹腔内投与してNO_2-Tyr値の推移を経時的に測定した。【結果】NO_2-Tyrは血管閉塞直後より再灌流48時間後まで経時的に増加し、72時間後には減少傾向を示した。NO_2-Tyrの生成を部位別に見ると、脳梗塞周辺部、皮質梗塞部、基底核梗塞部の順序で増加していた。AG投与により主に再灌流24、48時間群でNO_2-Tyrの生成が抑制された。【考察】以上の結果より、ONOO^-の生成の時間的および部位的変化は、再潅流後時間経過と共にiNOSが誘導されたこと、梗塞周辺部ほど多量のO_2^<・->が産生されたことを反映していると推察された。なお、虚血再灌流後に生成されたNO_2-TyrはT_<1/2>=2.25時間で代謝分解されたことより、経時的に測定したNO_2-Tyr値は虚血直後からのNO_2-Tyrの蓄積を示しているのではなく、測定数時間前に産生されたNO_2-Tyrのみを反映していると考えられた。
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