1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670670
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 講師 (70197234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 教授 (20110885)
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Keywords | 脳虚血 / ONOO^- / Nitrotyrosine / NO |
Research Abstract |
本研究ではPeroxynitrite生成の指標としてONOO^-とL-tyrosineとが反応して生じる3-nirto-L-tyrosine(NO_2-Tyr)を用い、一過性局所脳虚血再灌流早期におけるNO_2-Tyr生成の起源としてnNOSが関与しているか否かを解明することを目的とした。すなわち中大脳動脈2時間閉塞後0.5時間再灌流したモデルを用い、7-nitro indazole(7-NI)を腹腔内投与しNO_2-Tyr生成にいかなる影響があるかを検討した。【方法】雄C57Black/6J mice 19匹を用いクリップによる2時間の左中大脳動脈一過閉塞を行い再灌流0.5時間後に断頭した。マウスは3群に分け、血管閉塞15分前に7-NI 25mg/Kg i.p.を投与した群、Vehicleを投与した群、およびSham-operation群とした。なおphysiological parameterとして、血圧、直腸温、血液ガス、血糖、ヘマトクリットを測定した。再灌流0.5時間後に断頭した脳は非梗塞半球、梗塞半球に分割し、酸加水分解後HPLCでNO_2-Tyr量を検出し、NO_2-Tyr生成率を算出した。【結果】1)7-NI投与群、Vehicle投与群、およびSham-operation群の3群間で、physiological parameterに有意な差を認めなかった。2)NO_2-Tyrは脳梗塞半球において7-NI投与群で0.10±0.07%、Vehicle投与群で0.18±0.05%、Sham-operation群で0.0±0.0%であり、7-NI投与によりNO_2-Tyrの生成が統計学的に有意に抑制された。なお、非脳梗塞半球においては3群間では差がなかった。【考察】以上の結果より、虚血再灌流早期のONOO^-の生成に関しては、nNOS由来のNOが関与していると考えられた。
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