動脈硬化規定因子壁せん断応力のMRIによる非侵襲的ベクトル解析

1997 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09670701
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 鈴木 順一 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50260485)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 西川 潤一 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (00010322) ; 豊岡 照彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00146151)
• Keywords: 壁せん断応力 / magnetic resonance imaging / 動脈硬化

Research Abstract

胸部大動脈内の複雑な螺旋状血流により惹起される壁せん断応力(実際に計測されるのは壁せん断速度である。壁せん断応力=壁せん断速度×血液粘性度)のベクトル解析が、MRIにより実行可能かどうかを検討するために、本来の目的である高コレステロール血症患者を対象とする前に、まず、正常ボランティア6名を対象とし、ベクトル解析を試みた。
1.正常ボランティアにおける検討:壁せん断速度は上行、弓部近位部、遠位部、下行大動脈の各内側および外側の計8解剖部位において計測した。FLASHを用いたMR velocity mappingにより、6例全例の全解剖部位においてベクトル解析は可能であった。いずれの症例においても各解剖部位における計測値は一定の傾向を示した。すなわち、壁せん断速度は弓部遠位内側で最小となり、下行大動脈外側で最大であった。また、時間的変動性の指標であるoscillatory indexのaxial成分は弓部遠位内側で最大であった。以上の成果は既にAJRに投稿中であり、平成10年度中には発行予定である(in revision)。
2.高コレステロール血症患者における検討:平成9年度は治療前の3名において計測を行った。平成10年度中には症例を増やし、解析成果を基に投稿準備にはいる予定である。

Research Products

• [Publications] Shimamoto R, Suzuki J-i.: "Measuring the diameter of coronary arteries on MR angiograms using spatial profile curves" AJR. 170 (in press). (1998)
• [Publications] Suzuki J-i, et al..: "Vector analysis of the hemodynamics of atherogenesis in the human thoracic aorta with use of MR velocity mapping" AJR. 171 (in press). (1998)