1998 Fiscal Year Annual Research Report
心臓内視鏡を用いた直視下心房中隔穿刺法、左房壁レーザー焼灼法に関する実験的検討
Project/Area Number |
09670704
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平尾 見三 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30208805)
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Keywords | 内視鏡 / 心臓 / Nd:YAGレーザー / カテーテルアブレーション |
Research Abstract |
(1) 心臓内視鏡を用いた直視下心房中隔穿刺法に関する実験的研究:透視下で実施するブロッケンブロー法のデメリットを減らすために、研究計画通りバルーン付き心臓内視鏡を用い直視下に右房から左房へ心房中隔経由で到達する中隔穿刺が可能か否か実験的に検討した。結果的には、直視下ブロッケンブローは困難であった。内視鏡を経静脈的に右房に進ませた時、穿刺標的である心房中隔の卵円窩、その周囲の構造物の観察は可能であったが、穿刺のために針をすすめると標的部位から移動するという問題が解消不能であった。 (2) 心臓内視鏡を用いた左房壁レーザー焼灼法に関する実験的研究:計画では直視下 ブロッケンブローアプローチ後に、心房細動のカテーテルアプレーション治療に繋がる研究計画として左房壁にNd:YAGレーザーを照射予定であった。そこで、左側開胸後、左心耳から巾着縫合下に内視鏡を左房へ挿入した。肺静脈開口部から僧帽弁輪部へと内視鏡バルーン越しにNd:YAGレーザーを照射し、左房壁の線上焼灼を試み成功している。現在、実験データ検討、発表準備段階である。 (3) 心臓内視鏡を用いた冠状静脈開口部への直視下電極カテーテル挿入に関する実験:冠状静脈へは、通常X線透視下に電極カテーテルを留置するが、透視を使わず内視鏡を用い直視下に電極カテーテルを冠状静脈洞開口部へとガイド可能であるかを検討した。非透視的に直視下カテーテル挿入が可能であり、拍動心において重要な右房内構造物である冠状静脈開口部、その周辺部の観察が可能であることを論文発表した。 (4) 心臓内視鏡を用いた右房中隔レーザー焼灼法に関する実験的研究:右房中隔への内視鏡下Nd:YAGレーザー照射実験を行った。この際、冠状静脈洞開口部を内視鏡的に同定後その上縁、下縁の別々の2箇所にそれぞれ三尖弁輪部まで直視下に線状焼灼しその電気生理学的効果を判定した。上縁焼灼では、完全房室ブロックが、下縁焼灼では遅伝導路焼灼の効果が得られたことより、直視下の解剖学的ガイドに基付くアブレーションが可能であることを学会にて発表し(1998年5月NASPEにて)、現在論文作成段階である。
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