1998 Fiscal Year Annual Research Report
抗不整脈薬及び諸種薬物による不整脈憎悪の電気生理学的特性の研究
Project/Area Number |
09670705
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Research Institution | Medical Research Institute, Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
沢登 徹 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00014217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80014281)
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Keywords | Antiarrhythmic agent / proarrhythmia / reentrrat tachycardia / rabbit right atrium / microelectrode method |
Research Abstract |
家兎右房標本で8ヶ所より記録を行い、期外刺激法にて昨年度に引き続き、不整脈誘発を異なる薬剤濃度で試み、不整脈憎悪の頻度とその影響因子を検討した。フレカイニド1μM、5μM、10μMでの不整脈憎悪はそれぞれ3/6(50%)、2/6(33.3%)、0/4(0%)、ジソピラミド1μM、5μM、10μMでは4/5(80%)、2/5(40%)、0/5(0%)、セマチリド10μM、30μM、100μMでは318(37.5%)、1/7(14.3%)、0/4(0%)、ベプリジル2μM、5μM、10μMでは0/5(0%)、0/5(0%)、1/5(20%)を示した。ベプリジルを除く他の3種類の抗不整脈薬は濃度が高くなるに従い頻拍の誘発は抑制され、憎悪例は減少した。各抗不整脈薬の不整脈憎悪(-)、(+)群で有効不応期の延長を調べると、前者は軽度の延長、後者は有意な変化を示した。一方、ベプリジルは高い濃度で始めて憎悪を認め、その際の有効不応期は2.2倍と著しい延長を示した。不応期の不均一性を対象との比較でみると、その変化分はフレカイニド投与による不整脈憎悪(+)で13.2msec、憎悪(-)で23.3msec、ジソピラミドはそれぞれ17.5msec、4msecであり、薬剤により異なる傾向を示した。投与5分と15分での有効不応期の延長変化はフレカイニドで13%、37.5%、ジソピラミド7.5%、18%、セマチリドは15.8%、39.4%であった。この結果は不整脈憎悪例が薬剤投与後の早い時間帯に認められ、15分後減少したことを裏付けた。 以上より薬剤投与早期に認めた不整脈憎悪の影響因子には(1)薬剤濃度(2)投与の時間経過(3)有効不応期の延長の程度が関係することがわかった。
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[Publications] 沢登 徹他: "モルモット単離心室筋細胞に及ぼすロキシスロマイシンの効果" Jpn J Clin Pharmacol Ther. 29. 149-150 (1998)
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[Publications] 沢登 徹他: "ベプリジルのイオン電流に対する効果" Therapeutic Res. 19. 5-10 (1998)
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[Publications] 沢登 徹他: "家兎右房標本を用いた各種抗不整脈薬に伴う催不整脈作用の検討" Jpn J Clin Pharmacol Ther. 30. 339-340 (1999)
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[Publications] Nakajima T et al.: "Novel mechanism of HERG current suppression in LQT2:shift in voltage dependence of HERG inactivation" Circ Res. 83. 415-422 (1998)