1998 Fiscal Year Annual Research Report
虚血刺激によるATP感受性Kチャネル構成蛋白の発現調節に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09670713
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
村上 知行 京都大学, 医学研究科, 講師 (00190885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀江 稔 京都大学, 医学研究科, 助手 (90183938)
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Keywords | 虚血 / K_<ATP>チャネル / アンジオテンシンII |
Research Abstract |
K@@S2ATP@@E2チャネルはチャネル孔としてのαサブユニットと、その開口を調節するβサブユニットにより構成される異種複合体である。現在αサブユニットとして内向き整流性KチャネルKir6.1、Kir6.2が、βサブユニットとしてスルフォニルウレア受容体SUR1、SUR2A及びSUR2Bがクローニングされている。心筋にはKir6.1、Kir6.2とSUR2A、SUR2BのmRNAが証明されている。初年度ラット心筋左室梗塞モデルにおいてK@@S2ATP@@E2チャネル構成蛋白の発現動態を検討し、長時間の虚血刺激によりKir6.1のmRNAおよび蛋白の発現増加がみられるのに対し、Kir6.2とSUR2AのmRNAには変化がみられないこと、しかもこれらのKir6.1の発現増加は、梗塞部のみならず非梗塞部にもみられを発見した。このことから、本年度は心筋K@@S2ATP@@E2チャネルが、虚血そのものではなく、機械的負荷あるいは液性因子による刺激を介して量的質的変化を遂げ、病態に対応する動的蛋白であることを明らかにするためK@@S2ATP@@E2チャネル蛋白mRNA発現と心筋ストレス、アンジオテンシンIIの関係を検討した。Kir6.1mRNAの発現は、心筋局所ストレスの指標であるBNPmRNAの発現と正の相関を示しKij6.1mRNA及び蛋白の発現増加はアンジオテンシンII受容対拮抗薬TCV116の前投与で完全に抑制された。しかも、このラット心筋左室梗塞モデルでは血中アンジオテンシンII濃度は増加しておらず、右室心筋、骨格筋でのKir6.1mRNA発現増加は観察されなかったことから心筋組織アンジオテンシンIIの関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ichiro Kouchi: "K_<ATP> channels are common mediators of ischemic and calcium preconditioning in rabbits" American Journal of Physiology. 43. H1106-H1112 (1998)
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[Publications] Tetsuya Harana: "Cordinate Interaction Between ATP-Sensitive K^+ Channel and Na^+,K^+-ATPase Modulates Ischemic Preconditioning" Cerculation. 98. 2905-2910 (1998)