1998 Fiscal Year Annual Research Report
CCAAT結合タンパクを介した血小板由来成長因子β-受容体遺伝子発現調節の検討
Project/Area Number |
09670723
|
Research Institution | EHIME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
北見 裕 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (10234270)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大蔵 隆文 愛媛大学, 医学部・附属病院, 助手 (40260385)
|
Keywords | 血管平滑筋細胞 / 血小板由来成長因子β-受容体 / 5'-上流域 / プロモーター活性 / 転写制御因子 / CCAAT結合タンパク |
Research Abstract |
血管平滑筋細胞(VSMC)における血小板由来成長因子β-受容体遺伝子(PDGFRB)の転写調節機構を明らかにする目的で、5'-上流域を含むラットPDGFRBを単離し、そのプロモータ活性、およびその遺伝子転写活性を制御する因子について検討した。ラットゲノムライブラリーのスクリーニングにより、約1.7kbの5'-上流域を含むクローンを単離し、プライマー伸長法およびリボプローブマッピングによって転写開始点を決定した。次に10種類の5'-欠失変異遺伝子を作製し、ルシフェラーゼcDNAをレポータ遺伝子としたルシフェラーゼアッセイによって、VSMCにおけるプロモータ活性を比較したところ、プロモータ活性に必須の領域を2つ、-310〜-120および-67〜-61に存在するCCAATボックス、を同定した。CCAATボックスに関してはその変異遺伝子(CCAAT→GTACTG)を作製し、そのプロモータ活性を測定したところほぼ完全に消失した。一方、-310〜-120の領域をPDGFRB以外の遺伝子プロモータ配列、α-アクチンおよびSV40ウイルスプロモータ、の上流に結合させそのプロモータ活性を比較したところ、前者のプロモータ活性のみ有意に増加させたことから、この領域はCCAATボックスと協調的に作用し、VSMC特異的な遺伝子のプロモータ活性を増加させるものと考えられた。さらに、-310〜-120の領域の組織特異性を検討するために、この領域に対して5'-欠失変異遺伝子を作製し、VSMCならびに内因性PDGFRB mRNA発現を認めない肝癌細胞(HTC)におけるプロモータ活性を測定した。その結果、-150〜-121の30bPの配列が重要であることが明らかにされたが、この領域には現在までに報告されているコンセンサス配列を認めないために、未知の転写制御因子が関連している可能性が示唆された。今後は、この組織特異的な転写制御因子の同定を行う予定である。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kitami Y,Fukuoka T,Okura T,Takata Y,Maguchi M,Igase M,Kohara K,Hiwada K: "Molecular structure and function of rat platelet-derived growth factor β-receptor gene promoter." Journal of Hypertension. 16・4. 437-445 (1998)
-
[Publications] Fukuoka T,Kitami Y,Kohara K,Hiwada K: "Molecular structure and function of rat CCAAT-enhancer binding protein-delta gene promoter." Biochemical Biophysical Research Communications. 231・1. 30-36 (1997)
-
[Publications] 高田康徳、北見 裕、福岡富和、大蔵隆文、間口元文、伊賀瀬道也、姜 一農、小原克彦、日和田邦男: "血管平滑筋細胞における血小板成長因子β-受容体遺伝子の発現調節." 血圧. 5・3. 288-296 (1998)
-
[Publications] 福岡富和、北見 裕、大蔵隆文、間口元文、伊賀瀬道也、小原克彦、日和田邦男: "血管平滑筋細胞における核内転写制御因子C/EBPδ遺伝子の発現調節." 血圧. 4・3. 265-271 (1997)