1997 Fiscal Year Annual Research Report
肝を標的としたアンチセンス療法における脂質代謝改善及び動脈硬化抑制の研究
Project/Area Number |
09670727
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菅野 公浩 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20206395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 祐義 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
畑 知二 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (90198739)
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Keywords | コレステロールエステル転送蛋白 / アンチセンス / 動脈硬化 |
Research Abstract |
平成9年度は、CETPアンチセンス療法が、動脈硬化の進展に対する有効性を慢性実験において研究した。(目的)コレステロールエステル転送蛋白(CETP)は、HDL中のコレステロールエステル(CE)をVLDL及びLDLへ転送する蛋白で、主として肝で合成される。CETP欠損症の患者では、肝のLDL receptor(LDL-R)活性が増加し、そのことも血清LDLコレステロール(chol)の低下に関与していると報告されている。今回、我々は、肝特異的レセプターを介してCETP antisense oligodeoxynucleotide(ODNs)を慢性的に投与し、肝のLDL-R mRNA及び動脈硬化に対するCETPの影響を検討した。(方法)日本白色家兎(n=18)を0.3%chol食で8週飼育し、血清chol値に有意差がないようにCETP antisense ODNs投与群(A群)、CETP sense ODNs投与群(S群)、無投与群(C群)の3群に分けた。ODNsは耳静脈より週2回投与し、16週まで飼育した。対照(n=4)として標準食で16週飼育した。飼育期間中に血清CETPmass、血清chol及びHDL-chol、血清中性脂肪を測定した。日本白色家兎を屠殺後、肝のCETP,LDLmRNAをNorthern blot法にて測定し、大動脈より動脈内chol含量及びプラークの大動脈総面積に対する%を測定した。(結果)A群においてODNs投与後、2週より血清CETPmass、血清総cholは、S群、C群と比して、有意に低下していた。血清HDL-cholは、A群で高い傾向があったが、S群、C群と有意差はなかった。血清中性脂肪は4群間に有意差はなかった。A群ではS群、C群と比して、肝CETPmRNAは低下し、肝LDL receptor mRNAは増加していた。動脈内chol含量及びプラークの大動脈総面積に対する%は、A群ではS群、C群と比して、有意に低下していた。(結論)肝特異的レセプターを介してのCETP antisense ODNs投与は、血清VLDL及びLDLcholを低下させることにより動脈硬化の進展を抑制することがことが示唆された。その他。本遺伝子導入法により、CETP以外にも、肝で合成されるアンギオテンシノーゲンの遺伝子レベルでの調節により、高血圧の治療並びに病態の解明についても研究した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masahiro Sugano,Naoki Makino,Shojiro Sawada,et.al: "Effect of Antisense Oligodeoxynucleotides against Cholesteryl Ester Transfer Protein on the Development of Atherosclerosis in Cholesterol-fed Rabbits" J.Biol.Chem.273. 5033-5036 (1998)
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[Publications] Naoki Makino,Masahiro Sugano,Shoji Otsuka,Shojiro Sawada.: "Intravenous Injection with antisense Oligodeoxynucleotides against Angiotensinogen decreases Blood Pressure in Spontaneously Hypertensivr Rats" Hypertension. (in press).