1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670738
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
馬場 章 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00228678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽野 卓三 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (90156381)
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Keywords | プレコンディショニング / 虚血・再潅流障害 / 細胞内Ca / 細胞内pH / Na,Ca交換機構 |
Research Abstract |
虚血・再潅流時にin vivoで生じている変化をラットの単離心筋細胞レベルでsimulateする方法について検討した。ミトコンドリアのoxidative phosphorylationのuncouplerであるcarbonyl cyanide m-chlorophenylhydrazone(CCCP)を潅流液中に加えて、潅流したころ、一過性の細胞内pH(BCECFで測定)の上昇ののち徐々に低下し、正常Tyrode液に戻すことによりさらに細胞内acidosisが観察された。3〜5分の潅流でほぼ全細胞がround cellとなった。通常の器具では、窒素ガスで置換するだけでは、潅流液の酸素分圧を十分に低下させることができなかったため、脱酸素剤であるsodium hydrosulfite(SH)を溶液に添加したところ、潅流液のPO_2は0mmHgとなった。この溶液で潅流したところ、細胞内pHは一過性に上昇したのち、徐々に低下し、再酸素化によりさらにacidosisとなったのち、はぼ元のレベルにまで戻った。SHで脱酸素化した溶液を大気中に2、3時間放置することにより、再酸素化した溶液(PO2 198mmHg)で潅流し細胞内pHを観察したが、有意な変化は見られず、SHそのものは細胞内pHに影響しないことが示された。また、Na,Ca交換機構の機能を虚血・再酸素化の間に検討できるよう、whole cell clamp法により、細胞内Ca低下時に内向き電流として記録する実験系を確立した。来年度は、SHを含んだ溶液で潅流し、preconditioningのmediatorと考えられるadenosine、phorbolester、cromakalimなどで前処置をした群と無処置の群に分けて細胞内pH、Na,Ca、Na,Ca交換機構の機能の経過を比較したい。
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Research Products
(1 results)