1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670743
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中居 賢司 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (90146035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 朋久 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60254752)
大平 篤志 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60275534)
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Keywords | 心筋梗塞症 / 遺伝子多型 / アンジオテンシンI変換酵素 / 血管内皮型一酸化窒素合成酵素 / アンジオテンシノーゲン / ホモシスティン / apo E |
Research Abstract |
[目的]急性心筋梗塞症(MI)には、古典的な冠危険因子がなく突然発症する例もあり、発症時の致命率は今なお高い。MI発症の予防対策と新たな冠危険因子の検索が重要である。今回、血管内皮機能および動脈硬化に関連するレニン・アンジオテンシン系遺伝子とアポE、ホモシスティンおよび血管内皮型一酸化窒素合成酵素(ecNOS)などの遺伝子型の意義を検討した。[対象]当院に入院したMI群254例(57±9歳)および一般住民(C群)422例(60±9歳)である。[方法]1)PCR法によりアンジオテンシンI変換酵素(ACE)、アンジオテンシノーゲン(AGT)、アンジオテンシン II type I レセプター(ATIIR1)、アポE、methylene-tetrahydrofolate reductase (MTHEFR)、ecNOSなどの遺伝子型を解析し、AMI発症に関わる遺伝的要因を検討した。またC群では、レニン・アンジオテンシン系遺伝子多型と総頚動脈内膜中膜複合体肥厚(IMT)との関連を検討した。[結果]1)ロジステック解析により、ACE Dallele、アポE_ε4allele、ATIIR1 C allele、ecNOS aa型は、MI群に関連する独立した因子であった(P<0.05)。2)レニン・アンジオテンシン系遺伝子多型の頻度は一部欧米人と異なった。ACE DD型とATIIR1 C alleleの頻度は、欧米人に比べ低値であった。一方、AGT TT型の頻度は、欧米人に比べて高値であった。3)MI群で有意であった各遺伝子型の比率(C群/MI群)は、D allele 0.328/0.407、_ε4 allele 0.094/0.142、[AC+CC]型0.132/0.367であった。4)ATIIR1遺伝子型CC型のIMTは、他のATRII1遺伝子型に比べて肥厚傾向にあった。5)AGT遺伝子型およびMTHFR遺伝子型の比率には、C群とMI群間で差がなかった(TT型 0.762/0.634、vv型0.143/0.192)。[考案]レニン・アンジオテンシン系遺伝子多型の頻度は一部欧米人と異るが、アポE、ACE、ATIIR1とecNOSの遺伝子型は、MI発症に関わるマーカーと考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 武者毅彦、中居賢司: "日本人虚血性心疾患例におけるアンジオテンシン-I変換酵素遺伝子多型性の意義" 岩手医誌. 49. 197-204 (1997)
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[Publications] Ohsawa M, Nakai K: "Endothelial nitric oxide synthase (ecNOS) genotypes correlated with increased risk for myocardial infarction but not angina pectoris in Japanese" Circulation. 96. I-94 (1997)
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[Publications] 房崎哲也、中居賢司: "日本人心筋梗塞症におけるアンギオテンシンII受容帯I型遺伝子系の意義" 日本心臓病学会誌. 30. 123 (1997)
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[Publications] 中居賢司: "ACE遺伝子多型と虚血性心疾患" 医学の歩み. 148. 724 (1998)