1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670747
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
佐藤 清貴 北里大学, 医学部, 講師 (40225933)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 卓 北里大学, 医学部, 講師 (30165716)
|
Keywords | reperfusion injury / ischemic heart / ketone body / mitochondria / respiratory chain |
Research Abstract |
1.ラット摘出心をワーキングハート法で灌流し、灌流液遮断による10分間の全虚血と30分間の再灌流を行なった。通常の灌流液を用いるK(-)群、5mMケトン体を虚血前より添加するK(+)群、さらに虚血を作成せずControl群の3群を作成し、循環動態指標および細胞内代謝産物を測定した。 2.循環動態指標:虚血再灌流後の左室dP/dt、心拍出量、心仕事量、心筋仕事効率はK(+)群が有意に回復過程を示た。 3.細胞内代謝産物濃度: (1)pH,ATP,Pyruvate,Lactate,aKetoglutarate,Ammonia濃度は3群間で有意差を示さなかった。 (2)細胞内Phosphocreatine濃度はC群11.4mmol/ml、K(+)群10.7mmol/ml、K(-)群8.5mmol/mlとK(-)群が他の2群と比較して有意な低値を示した。 4.細胞内エネルギー動態: (1)細胞質ΔGATPHydrolysisエネルギーは、C群56.4KJ/mol、K(+)群58.2KJ/mol、K(-)群56.0KJ/molとK(+)群が他の3群と比較して有意な高値を示した。 (2)ミトコンドリアNAD/NADH電位はC群280.8mV、K(+)群297.1mV、K(-)群291.1mVとK(+)群が他の2群と比較して有意な高値を示した。 (3)以上より算出した、ミトコンドリア電子伝達鎖電位はC群11.4mV、K(+)群5.4mV、K(-)群1.1mV、とK(-)群およびK(+)で有意な低下が示された。 結語1.ケトン体は心循環動態における虚血再灌流障害の影響を軽減した。 2.ケトン体群では、ミトコンドリアNADH酸化還元電位の増大、ΔGATPからみた動員エネルギーの上昇が示された。 3.ケトン体は、虚血再灌流時の基質となり、虚血心筋保護作用を有すると考えられた。
|
Research Products
(1 results)