1997 Fiscal Year Annual Research Report
in vivo遺伝子導入法による心筋電気活動の制御機構の解明
Project/Area Number |
09670750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
赤石 誠 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90150961)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 輝雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255445)
柴田 克志 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296565)
小山田 和弘 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00245474)
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Keywords | 遺伝子導入 / 不整脈モデル / 心筋梗塞 |
Research Abstract |
平成9年度はHVJウイルスを用いた遺伝子導入法を確立し、また不整脈解析の疾患モデルを作製することを目的とし、以下の実験を行った。 【実験計画】 (1)心臓への遺伝子導入 SDラットを麻酔下にて開胸し拍動心へシリンジを用いて直接心筋へHVJ-リポゾームを注入する。一旦閉胸し48時間から72時間後に心臓を取り出し、コントロール遺伝子としてまずルシフェラーゼ遺伝子を導入し、ルシフェラーゼ活性を測定することにより心筋遺伝子導入の有無を検討する。 (2)疾患モデルの作製 ラット心筋梗塞モデルを作製し、心筋梗塞後の致死性不整脈発生機序を生化学的解析する。 【結果】 われわれはHVJ-リポゾームの作製に成功し、心筋に著明なルシフェラーゼ活性を認めた。また心筋梗塞ラットを用いた研究では、非心筋梗塞部位において著明な心筋肥大、またイオンチャネルの発現量の変化を認めた。さらに電気刺激による不整脈誘発試験にて不整脈発生の基質となりうることを明らかとした。 【まとめ】 ルシフェラーゼ遺伝子は心筋細胞に発現されており、生体内心臓遺伝子導入が可能であることが明らかとなった。ラット心筋梗塞モデルを用いた実験で心筋梗塞後の心筋は著明に肥大しており、不整脈発生の基質と成り得ることが明らかとなった。さらに遺伝子導入法を用いて不整脈発生の分子機構を解析する予定である。
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