1997 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患に対するmolecular myoplastyに関する基礎的研究
Project/Area Number |
09670755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
竹下 聡 帝京大学, 医学部, 助手 (90271288)
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Keywords | 遺伝子治療 / 心筋梗塞 / ラット |
Research Abstract |
近年における経皮的冠動脈形成術(PTCA)を初めとした冠血行再建術の技術的進歩は、虚血性心疾患患者の予後に大きな改善をもたらした。しかしながら、虚血によっていったん壊死に陥った心筋細胞を再生する手立てはなく、心筋梗塞後における心不全は虚血性心疾患の治療における大きな課題の一つとなっている。本研究の目的は、心筋壊死によって機能低下を来たした心臓において、“心筋細胞の新生・再生を促すことにより心機能の回復をはかる"という新しいコンセプトに基づいた治療法“molecular cardiomyoplasty"の臨床応用を目指した基礎的研究を行うことである。 平成9年度においては、ラットの心筋梗塞モデルに対する遺伝子導入を行い、その有効性に関する検討を行った。 (実験1)ラット心筋梗塞モデルの作成と心機能評価 冠動脈(左前下行枝)を結紮したラットの心筋梗塞モデルを作成し、慢性期における心機能を超音波断層心エコー図およびDoppler心エコー図を用いて検討を行った。また、colored microsphereを用いて梗塞部心筋の血流量を測定した。 (実験2)通伝子治療群の心機能評価 実験1により、ラット心筋梗塞モデルの有用性を確立した後、実験2へと移行した。 MyoDは骨格筋細胞の分化を誘導する通伝子の一つである。このMyoD発現遺伝子をラットの心筋梗塞モデルの梗塞領域へと導入することによって、梗塞部に存在する線維芽細胞の筋細胞への分化誘導を試みた。 (実験1)と同様に、ラットの心筋梗塞モデルを作成し、これに対しコントロール遺伝子またはMyoD遺伝子の導入を行った。慢性期における各治療群の心機能については現在比較検討中である。
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