1997 Fiscal Year Annual Research Report
頸脳動脈系シミュレーションモデルによる脳動脈硬化定量計測法の確立
Project/Area Number |
09670757
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤代 健太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90147348)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 さやか 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30256458)
和田 高士 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00191825)
|
Keywords | 超音波 / 頸動脈 / 中大脳動脈 / 血流量波形 / 電気回路モデル |
Research Abstract |
総頸動脈血流量波形の第一峰は加齢により減高、第二峰は増高を示し、波形より被験者の年齢が推定可能である。総頸動脈血流量波形の加齢に伴う変化の特徴は、平成7、8年度に報告したごとく収縮期第一峰と第二峰の高さの比率と最大変化率にあることが判明した。今回は、頸・脳動脈系を等価回路を用いた電気回路モデルに置き換え、総頸動脈血流量波形より脳血管系の硬化性変化が推定できるかについて、モデルの構築を波形の加齢変化より検討した。電気回路モデルには、頸動脈血圧の近似波形である総頸動脈血管拍動波形を電圧として入力し、総頸動脈血流量波形を頸部の、中大脳動脈血流速度波形を頭蓋内の電流としてシミュレートし回路内の抵抗値と容量を頭蓋内血管の硬化度の指標とすることを目指している。総頸動脈血管壁拍動波形と血流量波形は超音波定量的血流量測定装置(QFM)にて計測、中大脳動脈血流速度波形は経頭蓋骨的超音波血流速度計にて耳介前上方で計測し、得られた信号はon-lineでQFMに入力し、各波形とも20心拍の加算平均を求めた。対象は29歳から83歳の健常者、平均51歳、計20例である。各波形の変化幅に対する第一峰、第二峰の高さの差の比率より拍動パターンを比較した。結果、総頸動脈血管壁拍動波形と中大脳動脈血流速度波形は高い相関を認めた。(r=0.845)。総頸動脈血流量波形は60歳代の2例を除いて第一峰が第二峰より高いが、総頸動脈血管壁拍動波形と中大脳動脈血流速度波形とも40歳代より高齢では第二峰が第一峰より高く、頸動脈血圧波形が中大脳動脈血流速度波形に近似することが判明した。すなわち頸動脈部分では交流であった電流が中大脳動脈部分では直流に変換されている可能性がある。作製する電気回路は抵抗(R)、コイル(L)、コンデンサー(C)を有するが、このR、L、Cを一段だけでなく、多段組み合わせて検討する必要性が明らかとなった。
|