1997 Fiscal Year Annual Research Report
プロピオン酸血症の病態解明:バキュロウイルス蛋白発現系を用いた変異蛋白の解析
Project/Area Number |
09670781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大浦 敏博 東北大学, 医学部, 講師 (10176828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 繁夫 東北大学, 医学部, 助手 (10205221)
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Keywords | プロピオン酸血症 / プロピオニルCoAカルボキシラーゼ / スプライス異常 |
Research Abstract |
プロピオン酸血症は、プロピオニルCoAカルボキシラーゼ(PCC)欠損により引き起こされる有機酸代謝異常症である。PCCはα,β2つのサブユニットからなる複合酸素で、本症はいずれかのサブユニットの欠損により発症する。今回我々は6例のα鎖欠損患者の遺伝子解析を行ない以下の結果を得た。cDNAの解析では5つのミスセンス変異(R52W,Q272R,R374Q,P398L,W534L)と、2カ所の欠失(lllbpdel.,nt.1355-1465;103bpdel.,nt.1466-1568)、さらには3人の患者(168、330、409)ではnt.1209と1210の間に84bpの挿入が検出された。cDNA上でこの84bpをはさむプライマーを設計し対照及び6名の患者でPCRを行なったところ、患者330と409では正常のPCR産物(=216bp)に加え84bpの挿入をもつ300bpの産物が検出できた。驚くべき事には正常対照においても正常産物に加え300bpの産物がわずかながら検出できた。この84bp挿入のメカニズムを明らかにするためゲノムDNAを解析したところ84bpはイントロン中に存在しており、その5′と3′側にはエクソン-イントロン接合部のコンセンサス配列であるAGとGTが存在していた。この領域を患者330、409で検索したが変異は見い出せなかった。現在ミスセンス変異に関して病因か否かを証明するためにバキュロウイルスを用いたα鎖蛋白の発現系を作製中である。
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