1999 Fiscal Year Annual Research Report
小児重症心室性不整脈の危険因子としての再分極異常の解明
Project/Area Number |
09670786
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浅野 優 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (30222590)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉田 直己 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (70193381)
|
Keywords | 体表面電位図 / activation recuvery interval / 心拍変動 / QT延長症候群 / 再分極異常 / 心室頻拍 |
Research Abstract |
小児童症心室性不整腕の危険因子を、体表面電位図を用いた再分極のばらつきの検出(ARlc-d;Activation Recovery Interval dipersionを用いた)および白律神軽による心拍変動の特徴と再分極の変化という2点で検討した。以下に本研究によって明らかになつた点をまとめる。 1)ARlc-dは年齢による変化は大きくなく、平均+2標準偏差値を正常上限の基準値とすると、どの年齢層でもおおむね200前後であった。 2)各疾患群ごとの検討では、症状・家族歴のあるQT延長症候群例および失神や突然死の危険の高い心室頻拍群でARlc-dが高値を示し、症状のないQT延長例や単発性の心室性期外収縮群では正常例と有意差がなかった。 3)心室頻拍発生の一因としての心筋細胞活動電位持続時間の不均一性の増大はARlc dispersionの高値として検出できると考えられた。 4)心拍変動解析では、副交感神経パワーを表ずHF成分の変動係致はQT延長症候群において低い傾向があり、特に突然死した例で低値であつた。 5)交感神経パワーが大きく変化した時聞の心電図波形にT波形の変化や心室性期外収縮を認め、自律神経支配の変動と心室性不整脈をおこす再分極異常が関連していることが示唆された。 いずれも重症心室性不整脈に至る機序に関わった非侵襲的な検出法と考えられ、検診などで心電図により不整脈が発見された小児の予後判定に応用できると思われる。
|
Research Products
(1 results)