1999 Fiscal Year Annual Research Report
ステロイド受容体遺伝子多型性とIgA腎症の進展に及ぼす影響についての研究
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09670788
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Research Institution | NIIGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大久保 総一朗 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (20301856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 多加幸 新潟大学, 医学部・附属病院, 医員
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Keywords | IgA nephropathy / stercid therapy / estrogen receptor / progesterone receptor / pheno type / PCR / prognosis / children |
Research Abstract |
1.目的:エストロゲン受容体(ER)およびACEの遺伝子多型がIgA腎症の臨床的、組織学的進展に影響するか否かを検討する。 2.対象と方法:初回腎生検施行後に一定のプロトコールによるステロイド治療を2年間終了した後、2回目の腎生検により治療効果を評価できたIgA腎症患児74名を対象とした。 (1)末梢血DNAから、PCR法によりそれぞれER遺伝子、ACE遺伝子を増幅し、制限酵素で切断し遺伝子多型性を解析した。 (2)ER遺伝子多型性(PPおよびPp+ppの2群)およびACE遺伝子多型性(ID+DDの2群)と発症様式、経過、組織所見の推移等の臨床所見との関連について検討した。 3.結果 (1)ER遺伝子多型性では、PP9名(18.3%)、Pp35名(71.5%)、pp5名(10.2%)、検討できなかったものが25名であった。 (2)ACE遺伝子多型性では、II14名(25.9%)、ID28名(51.9%)、DD12名(22.2%)、検討できなかったものが20名であった。 (3)慢性化指数はPP群では治療前後で有意に低下していたが、Pp+pp群では有意な変化は認めなかった。 (4)ID+DD群では、II群より治療後のAIが有意に高く、治療後のCIも高い傾向を示した。また、ID+DD群では治療開始までの期間や初期の急性炎症所見に関係なく、ス剤中止後の再燃率が高かった。逆にII群では、再燃率は0%と明らかに低値であった。
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