1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670825
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
柴田 利満 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (80106319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 清 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (10220138)
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Keywords | 大動脈 / ラット / 動脈管 / 血管平滑筋 / 周波数解析 |
Research Abstract |
以前の研究で明らかになったウサギ胎児動脈管の張力オッシレーションと同様の現象が大動脈など他の血管平滑筋において認められか否かを検討し周波数解析にて動脈管のデータと比較検討した。生後10週の雄ラット(Wister Imamichi)をペントバルビタールの腹腔内注射(50mg/kg)で麻酔した後、開腹し腹部大動脈より直径1.2mm・長さ2mmの円筒形標本を摘出し、98%窒素と2%二酸化炭素で平衡化させた灌流槽中(35℃)に固定する。酸素化潅流液(35℃)で灌流し平衡化させた後、ノルアドレナリン10^<-6>Mを含む灌流液で灌流し大動脈を収縮させる。収縮状態の大動脈にステップ状の微小長さ変化(△L:約20μm)をサーボシステムを介して与えて、張力トランスデューサーより張力変化を記録した。記録された張力変化を最大エントロピー法を用いて周波数解析した。摘出大動脈を高カリウム溶液により収縮させ同様の実験を行いノルアドレナリンによる収縮特性との比較した。アドレナリン収縮大動脈においても動脈管同様の張力オッシレーションが認められ、その周波周期もも動脈管に非常に近く30分くらいであった。しかしオッシレーションの持続は動脈管に比して短く2周期しか持続しなかった。このオッシレーションが収縮線維自体による動きか、細胞内カルシウム濃度変動によるものか断定はできないが、血管平滑筋に共通した収縮線維の特性と思われる。カリウム収縮大動脈では張力のオッシレーションは認められなかった。
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