1999 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍剤および放射線照射の細胞障害作用に関する基礎的研究 トポイソメラーゼ変異細胞におけるアポトーシス制御機構の解析
Project/Area Number |
09670826
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Research Institution | Yokohama City University School op Medicine |
Principal Investigator |
船曳 哲典 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (20264616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 孝一郎 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (80159590)
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Keywords | アポトーシス / トポイソメラーゼ / 薬剤耐性 / 細胞周期 |
Research Abstract |
(1)アポト-シス細胞の定量方法の確立した.すなわち細胞を固定し,TdTによりBrdUを取り込ませた.ついでFITCをラベルした抗BrdU抗体と反応させ,酵素抗体法によりアポトーシスを起した細胞を同定することができた. (2)ヒト白血病細胞の野生株とトポイソメラーゼIIαに変異を持つ薬剤耐性株を抗腫瘍剤で処理し,アポトーシスを起した細胞を定量した.抗腫瘍剤に対する薬剤耐性の度合いとアポトーシス細胞の比率が逆相関することがわかった. (3)ヒト白血病細胞の野生株とトポイソメラーゼIIαの変異株に抗トポイソメラーゼ作用を持つ抗腫瘍剤(doxorubicin,VP-16)を作用させると,いずれもG2-M期の細胞の集積がみられた.従って,doxorubicin,VP-16はG2-M期の細胞に作用してアポトーシスを引き起こすことが推測された. (4)近年,アポトーシスに先立ってトポイソメラーゼIIαの発現量が低下することが明らかにされたため,細胞周期の進行とトポイソメラーゼ発現の調節機構の関連を検討した.トポイソメラーゼの発現量は正常だが蛋白構造に変異を持つ薬剤耐性細胞とトポイソメラーゼの蛋白構造は正常だが発現量が低下している薬剤耐性細胞のいずれにおいても,doxorubicin,VP-16の処理によるトポイソメラーゼ発現量の低下は野生株に比較してごく軽度であり,トポイソメラーゼ活性の低下によって導かれるアポトーシスの経路が存在することが示唆された.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 船曳哲典: "小児急性リンパ性白血病におけるTEL/AML1融合遺伝子"横浜医学. 50・1. 75-76 (1999)
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[Publications] 山崎桜子: "同種造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス(CMV)感染の検討"日本小児血液学会雑誌. 13・3. 151-157 (1999)
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[Publications] 高橋浩之: "小児急性リンパ性白血病におけるTEL/AML1融合遺伝子の検討"日本小児血液学会雑誌. 13・3. 164-169 (1999)
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[Publications] Shoko Goto: "Serum-free culture conditions for anolysis of secretory proteinases during myogenic differentiation of meuse C2C12 myohlasts"Analytical Biochemistry. 272・1. 135-142 (1999)
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[Publications] Hiroaki Goto: "Nevral differentiation of a novel cell line,YCUS-5,established from proximal-type epithelioid sarcoma of a child"Medical Pediatric Oncology. 33・1. 137-138 (1999)
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[Publications] Hideki Sasaki: "Effects of recombinant thrombopoietin on the growth of murine primitive and committed hematopoietic progenitors in serum-freecvlture"Pediatrics International. 41・6. 666-672 (1999)
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[Publications] 船曳 哲典: "小児がん,小児のホジキン病"医薬ジャーナル社(印刷中). (1999)