1997 Fiscal Year Annual Research Report
VZVマウス感染系による水痘発症病理、その予防、治療に関する総合的研究
Project/Area Number |
09670847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
須賀 定雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70257616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 哲史 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (80288472)
浅野 喜造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (40131180)
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Keywords | 易熱性エンテロトキシン / VZV / 感染実験モデル / マウス / 感染病理 |
Research Abstract |
病原性大腸菌由来の易熱性エンテロトキシン(LT;mutant 135)をアジュバントとし、BALB/cマウス4週齢にVZV岡株、もしくは河口株(1x10PFU^5/ml)を経鼻接種し、以下の成績を得た。 1)第1実験はVZV岡株(ワクチン株)を使用、マウス46例を麻酔後、14例にLT単独、14例にVZV岡株単独、15例にLT+VZV岡株、3例にAq単独(対照)を経鼻接種。2)接種3日後、VZV岡株単独5例、LT+VZV岡株5例、LT単独1例を屠殺し、血液、肝、脾、脳、胸腺を採取。肉眼的に各臓器に異常所見を認めなかった。しかしPCR法ではVZV岡株単独5例中1例の胸腺及び他の1例の脳組織、LT+VZV岡株5例中2例の脳組織中にVZV DNAが検出された。3)LT単独14例は接種3日後有意に体重減少、6日後屠殺1例を除く13例は前値まで回復した。VZV岡株単独14例は接種3日後体重増加し、6日後屠殺5例を除く9例は更に増加傾向を示した。LT+VZV岡株15例は接種3日後有意に体重減少し、6日後屠殺5例を除く10例は著明な体重変動を認めなかった。Aq単独3例は接種3日後有意な体重増加傾向を示した。4)第2実験はVZV河口株(野生株)を使用、マウス30例を麻酔後、10例にVZV河口株単独、10例にLT+VZV河口株を接種、4日後VZV河口株単独5例、LT+VZV河口株5例、LT単独1例を屠殺し、血液、肝、脾、脳、胸腺、脊髄、皮膚を採取。PCR法によりVZV DNAの検出を試みたが全例陰性であった。5)VZV河口株単独例、LT単独株、LT+VZV河口株接種例は経過と共に体重増加傾向を示した。以上よりVZV岡株接種例はLT併用の有無に関係なく一部の胸腺、脳組織中にVZV DNAが検出された。VZV河口株接種例では調べ得た全例がVZV DNA陰性であることから継代培養により感染性が変化した可能性もあり今後の新たな検討課題である。
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Research Products
(1 results)