1998 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線による慢性皮膚障害における形質転換増殖因子βの役割について
Project/Area Number |
09670869
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川原 繁 金沢大学, 医学部・附属病院, 講師 (80186155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 和彦 金沢大学, 医学部, 教授 (50142253)
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Keywords | 紫外線 / 形質転換成長因子-β / サイクリン / 細胞増殖 / 表皮 |
Research Abstract |
本研究は,紫外線による皮膚障害および紫外線発癌において,形質転換増殖因子β(TGFβ)による細胞増殖停止機序の関与しているかどうかを明らかにすることを目的とする。今年度は,紫外線照射による慢性皮膚障害とTGFβとの関連を検討するために,中波長紫外線(UVB)反復照射が形質転換増殖因子β(TGFβ)による細胞周期調整に及ぼす効果を検討した。ヘアレスマウスの背部皮膚にUVBを200mJ/im^21日1回,週に5日照射し,照射前,反復照射開始1,3,6週後,および6週で中止して,中止1,3,6週後に皮膚生検を行い,TGBβおよび各種細胞周期調節蛋白の発現を各々に対する抗体を用いて免疫組織学的に観察した。照射前の表皮ではTGF-βの発現はほとんど認められなかったが,反復照射開始1から6週後には皮膚の全層において強い発現が認められ,照射中止1週後では一部の表皮細胞にTGF-β1発現の陽性所見を示し,照射中止6週後においても表皮に巣状のTGF-β1陽性細胞が認められた。同様に反復照射中止3および6週後では,抗TGF-β1型レセプター抗体が陰性を示す表皮細胞が巣状に観察された。p21蛋白の発現は,照射前から照射中止6週後までの表皮いずれにおいてもほとんど観察された。p21蛋白の発現は,照射前から照射中止6週後までの表皮のいずれいおいてもほとんど観察されなかった。反復照射開始1週間後から中止6週間後まで多数の表皮細胞核がサイクリンE陽性を示した。以上の成績から,紫外線の反復照射により,TGBβによる細胞周期調節に異常が生じることを示唆された。
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