1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670884
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
成澤 寛 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (60164498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 達朗 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (60264157)
三砂 範幸 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (90199977)
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Keywords | アポトーシス / 外毛根鞘最内層細胞 / TUNEL法 / apoptitic pocket like structure / 毛隆起 |
Research Abstract |
毛組織におけるアポトーシスの変化を観察した。アポトーシスの観察は免疫組織学的にアポトーシスを起こした細胞を同定可能として、一般に用いられるTUNEL法で行った。まずヒトの頭部より採取された組織をホルマリン固定し、連続水平及び垂直切片を作成した。これらの切片を用いてTUNEL法を用いてアポトーシスの有無を観察したところ、興味ある所見が得られた。つまり、1)外毛根鞘最内層細胞層に線状に一層の陽性細胞を認め、垂直及び水平切片で確認された、2)外毛根鞘で特に基底細胞層に近い部分に、単発ないしそれらが数個集合した所見が観察され、垂直切片での検討からこれらのアポトーシスの細胞は毛隆起部に出現することが確認された。1)および2)で観察された毛組織におけるアポトーシスは、免疫組織学的手法であるが、併せて走査電顕的にも観察し、形態学的にもアポトーシスのcriteriaを満足するものであった。1)の外毛根鞘最内層細胞層が外毛根鞘のなかで特異的に陽性になったことは、外毛根鞘最内層細胞層が形態学的のみならず、角化のプロセスにおいてもアポトーシスを介して特異な変化をきたすことを示している。この点は今回の研究で初めて得られた所見である。2)の毛隆起部に散在性に観察されたアポトーシスを起こした細胞は、我々が既に初めて記載、報告したpocket-like structureに相当するものと考えられた。pocket-like structureがアポトーシスにより形成される可能性を考慮したが、今回の観察結果は我々の推論を裏付けるものである。
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