1998 Fiscal Year Annual Research Report
マウス動物モデルを用いた骨髄移植後GVHDの治療法の確立
Project/Area Number |
09670892
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Research Institution | YOKOHAMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
相原 道子 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (90231753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相原 雄幸 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (50211686)
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Keywords | 骨髄移植後GVHD / 動物モデル / 治療 |
Research Abstract |
骨髄移植後GVHD(graft-versus-host disease)のマウスモデルを用いて以下の治療効果を検討した。 1. B10D2マウスの骨髄細胞1x10^7と脾細胞を9gy照射したBALB/cマウスに静注し、GVHDの発症させ経過を観察した。次に、その治療目的でリポステロイド(デキサメタゾンをsoy been oil中に封入したもの)を移植後に投与した。移植2日後、3週間後、以後4週間間隔で投与されたレシピエントは、移植20週後の生存率が94%、脱毛、痂皮形成などの皮疹の出現率が12%であった。これはsoy been oilを投与されたコントロール群の生存率37%、皮疹の出現率43%より有意に効果が認められ、比較検討のために同力価のソルメドロールを投与した群の生存率63%と比較しても有意に高かった。 3. レシピエントマウスの皮膚、脾臓、肝臓の組織を摘出して抗マウスモノクローナル抗体で染色し、リポステロイド投与群とコントロール群で比較検討した。また、ヒトGHD患者の皮膚を抗ヒトモノクローナル抗体で染色し、マウスの所見と比較検討中した。コントロール群では皮膚、肝臓、脾臓のいずれもCD4およびCD8の細胞浸潤が著しく、皮膚では表皮のCD1陽性細胞の部分的消失や壊死が認められた。また、肝臓や脾臓では壊死巣が散在性に認められ、特に体重減少の著しいマウスでは脾臓の組織破壊が進行していた。ソルメドロール投与群にもほぼ同様の変化がコントロール群よりは軽度であったが全例に認められた。リポステロイド投与群ではこれらの変化はコントロール群やソルメドロール投与群と比較してさらに軽度であったが、臨床症状の全く認められないマウスにも、組織学的変化は認められた。これらの変化は基本的にヒトGVHDにみられる反応と同じであった。
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