1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670893
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山西 清文 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (10182586)
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Keywords | トランスグルタミナーゼ1 / トランスジェニックマウス / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
遺伝性角化異常症の疾患遺伝子の解明はDNA診断に基づく出生前診断や遺伝相談を可能にし疾患の発症予防に役立っているが、未だ患児に対する的確な治療法はなく、遺伝子治療への期待が高まっている。本研究では、葉状魚鱗癬(LI)の疾患遺伝子であるトランスグルタミナーゼ1(TGase 1)遺伝子の発現制御を個体レベルで解析するトランスジェニックマウスを作製し、生体表皮において発現制御が可能な発現ベクターを開発するとともに、TGase1遺伝子に変異を有するLIモデルに対して、このベクター系をもちいた正常遺伝子の導入を試み、遺伝性角化異常症の遺伝子治療の可能性を追求することを目的としている。平成9年度は、ヒトTGase1遺伝子の上流2.5kbの領域をE.coliのβ-galactosidase(β-gal)遺伝子に結合したレポータートランスジーンを構築し、BDF1マウスの受精卵にマイクロインジェクションにより導入し、9系統のトランスジェニックマウスを樹立した。得られたF1マウス表皮におけるトランスジーンの発現をβーgal組織化学染色で検討したところ、in situ hybridizationで解析した内因性のTGase1 mRNAの分布と一致し、このプロモーターは、in vivoにおいて、表皮および終末分化特異的遺伝子発現に関与することが示唆された。このトランスジェニックマウス皮膚にホルボールエステルTPAを塗布し、経時的にトランスジーンの発現を観察した結果、分化した有棘層より上層にトランスジーンの発現誘導が観察され、このプロモーターは表皮において誘導的な終末分化特異的活性化をうけることが明らかになった。
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