1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670903
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
喜多野 征夫 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70028538)
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Keywords | メラノーマ / 培養細胞株 / アポトーシス / 成長因子 / 紫外線 / Fas / p16 |
Research Abstract |
ヒトメラノーマ由来の細胞株HMOS2は、自然にアポトーシスが頻発し、しかも株化細胞として継代増殖を続けている。この特異な性質を持ったメラノーマ細胞の生物学的特性を明らかにすることを目的として、次の事項の検討を行った。なお自然に生じるアポトーシスの見られないヒトメラノーマ細胞株HMHY2を対照として用いた。 1.bFGF,PDGF,TGF-α,TGF-βなどの成長因子の添加、あるいは除去によってアポトーシスの発現頻度は変化しなかった。 2.通常の細胞に対してアポトーシスを誘発するTNF-αはHMOS2細胞のアポトーシス誘発には働かなかったが、紫外線照射によりアポトーシスが顕著に増加した。 3.アポトーシス発現の経路の1つであるFasリガンドを介する経路について検討した。Fas抗体を作用させると、HMOS2ではアポトーシスが増加し、さらにγ-IFNを加えることによりアポトーシスが高率に発生した。HMHY2ではアポトーシスは誘導されなかった。 4.これまでの報告では、メラノーマにおいてはp16の欠失、変異の頻度が高いとされている。p16遺伝子は9番染色体に存在するが、9番染色体における遺伝子欠失の状態を1063.7、MTS1、MTS2、cl.BをプローベとしてPCRで検討した。HMOS2はこの領域の欠失は認めなかったが、対照としたHMHY2ではこの領域がすべて欠失していた。従ってHMOS2ではp16、p15遺伝子は欠失していなかった。 5.p16蛋白を免疫組織化学で検討し、HNOS2細胞は陽性に染色された。HMHY2は陰性であった。 今後P53蛋白の発現、bc12蛋白の発現を検討し、遺伝子関連の特徴をさらに把握する。またヌードマウスに移植してin vivoでの特徴を検討する予定である。
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