1998 Fiscal Year Annual Research Report
CD82の機能的特性を用いたメラノーマ免疫遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
09670905
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Research Institution | YAMANASHI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柴垣 直孝 山梨医科大学, 医学部, 助手 (40262662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 洋文 (財)癌研究会癌化学療法センター, 分子生物治療研究部, 部長 (00189614)
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Keywords | CD82 / メラノーマ / 細胞接着 / 腫瘍ワクチン |
Research Abstract |
CD82は、Transmembrane 4 superfamily(TM4SF)に属し様々な細胞上に発現してる。我々は同分子を認識する抗体(53H5)あるいはCD82cDNAを用いることでT細胞上に発現するCD82の機能解析を行い、以下のことを明らかにした。すなわち、1、T細胞が抗原提示細胞により活性化される際、両者に発現するCD82が重要な役割を担っている。2、CD82の発現性は活性化刺激により亢進する。3、CD82cDNAをtransfectさせたT細胞同士は接着性が亢進する。同様にCD82cDNAをtransfectさせ発現を亢進させた単球との接着性も亢進する。4、CD82の発現を亢進させた細胞は、親細胞株に比べallogeneicityが上昇する。これらの結果は、細胞上のCD82が細胞接着に関与していることを示唆している。一方CD82は、メラノーマ細胞を含む腫瘍細胞上にも発現しており、最近CD82の属するTM4SF proteinの腫瘍細胞上の発現性低下が、転移能と相関していることが報告されている。そこで我々は、CD82低発現メラノーマ細胞株に、CD82cDNAを導入することによりCD82を高発現させた細胞を作製し、Jurkat T細胞とco-cultureし、細胞間の接着性に違いが生ずるかどうかを検討してみた。その結果、CD82高発現性メラノーマ細胞のほうがより強くT細胞と接着することが判明した。以上の結果は、腫瘍細胞上のCD82の発現性がT細胞の活性化にも影響を与えうることを示唆している。
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