1997 Fiscal Year Annual Research Report
SPECT(単光子断層撮像法)による心筋血流量定量測定法の確立に関する研究
Project/Area Number |
09670907
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
油野 民雄 旭川医科大学, 医学部, 教授 (30019963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秀毛 範至 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50261417)
斉藤 泰博 旭川医科大学, 医学部, 講師 (70170537)
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Keywords | SPECT / 心筋血流量 / 定量測定 / 心疾患 |
Research Abstract |
各種心疾患における心筋血流シンチグラフィは、日常診療上、不可欠の検査法となっている。しかし、その評価は、相対的な心筋内放射能分布から病変部を検出する定性的診断か半定量的診断に留まり、心筋血流量を数値として定量的に求める絶対的定量測定法は未だ確立されていないのが現状である。特に、多枝病変による虚血性心疾患や心筋炎、心筋症などの心筋血流が全体的に減少する疾患の診断や、冠動脈拡張術や冠血行再建術の治療適応決定や治療効果判定の精度向上には、絶対的心筋血流測定法の確立が必須である。 以上の背景のもとに、平成9年度では以下の如き検討を行った。 1.健常成人ボランティアを用いて、心筋血流トレーサである^<99m>Tc-tetrofosminの一定速度での静脈内への持続注入下の血液中の放射能変化、並びに動態SPECT(1分間1回転で計30-60分間のデータ収集)から得られた心筋放射能の時間変化を、薬物動態モデルの方法に当てはめて解析した。その結果、簡便な解析法であるマイクロスフェア法や直線積分最小2乗法を用いれば、比較的正確に局所心筋血流量を算出しうることを明らかにした。 2.また、冠動脈拡張剤であるdipyridamoleを用いた場合、本法によって得られる心筋血流量値の増加がdipyridamoleにより真に得られるか否か検討したところ、所定の予期した増加が得られた。 3.さらに現在、動物実験モデルを用いて本法の妥当性を検討中である。
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