1997 Fiscal Year Annual Research Report
^<18>F-標識フルオロベンジル基を有する新しい神経伝達機能診断用PET薬剤の開発
Project/Area Number |
09670913
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 助教授 (60143038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 助教授 (50192787)
井戸 達雄 東北大学, サイクロトロンRIセンター, 教授 (80134063)
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Keywords | PET / ヒスタミンレセプター / フルオロベンジルハライド / ポジトロン放出核種 / 放射性薬剤 / F-18 / fluoroproxyfan |
Research Abstract |
1.^<18>F-標識フルオロベンジルイミダゾイルプロピルエーテル(fluoroproxyfan)合成のための標識前駆体であるp-[^<18>F]フルオロベンジルハライド合成の最適化を検討し、その半自動合成法を確立した。 ^<18>F-イオンとp-trimethylammonium benzaldehyde triflateとの反応を最適化し、DMSO溶媒中120℃、10分間の反応により放射化学的収率60-80%でp-[^<18>F]フルオロベンズアルデヒドを迅速に合成した。 p-[^<18>F]フルオロベンジルハライドへの変換法に関しては、diiodosilaneによる還元的ヨウ素化反応と、ベンジルアルコールを経るSOBr_2による臭素化反応との2つの方法を検討したが、再現性の点から後者を選択した。本法によりp-[^<18>F]フルオロ臭化ベンジルを20-40%の収率で得た。 2.[^<18>F]fluoroproxyfan合成のための反応基質(3-[1-(triphenylmethyl)-1H-imidazol-4-yl]propanol)を合成するとともに、反応生成物のHPLC分析のために合成中間体であるtritylで保護されたfluoroproxyfanも合成した。 3.p-[^<18>F]フルオロ臭化ベンジルと基質によるエーテル化反応に関して検討を加えた。反応法として、塩基触媒下での一般的な方法と、銀トリフレートによる反応とを比較検討し、後者を採用することで標識前駆体から約30%の収率で[^<18>F]tritylfluoroproxyfanを得た。塩酸溶液中での脱保護化の後HPLCによって分離精製した。本法によりp-[^<18>F]fluoroproxyfanを10%前後の放射化学的収率で得ることができた。今後はfluoroproxyfanのUV吸収が低いために最終物の比放射能測定法を工夫することが課題として残された。 4.p-[^<18>F]fluoroproxyfanを用いて予備的な実験を行い、そのヒスタミンレセプターに対する特異的な結合を確認した。次年度はH_3レセプターに対する作用を本格的に評価する計画である。
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