1997 Fiscal Year Annual Research Report
難治性悪性リンパ腫細胞の免疫グロブリン発現遺伝子の解析と治療効果改善への応用
Project/Area Number |
09670918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊東 久夫 千葉大学, 医学部, 教授 (20095574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 竜介 千葉大学, 医学部, 助手
安田 茂雄 千葉大学, 医学部, 助手 (20251176)
有賀 隆 千葉大学, 医学部, 助手 (20261901)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / DNA解析 / 免疫グロブリン / ろほう性リンパ腫 / 組織変化 |
Research Abstract |
悪性リンパ腫細胞は同一の起源をもつ場合は発現形式の組織型が変化しても、リンパ腫細胞のγグロブリン産生遺伝子には変化がなく、オリジンとなった細胞の遺伝子を持ち続けることが知られてきた。本研究は、治療抵抗性リンパ腫のDNA塩基配列の変位の程度と治療に対する抵抗性の関連を明らかにし、治療成績を改善することを目的として検討を行った。本年度は濾胞性リンパ腫を対象として検討した。ろほう性がリンパ腫は数年の経過でびまん性化するという事象を始め再発時に細胞形態が変化するという事は、以前からよく知られている。しかし、この様ないわゆる‘Histological Conbversion'が起こる分子機構についてはあまり知られていない。一方で、近年、細胞周期に関する様々な分子が同定され、腫瘍の悪性化との関連が研究されつつある。そこで我々は、教室に保存されている悪性リンパ腫症例の病理組織標本をreviewし、Histological Conversionに関する分子機構に付いて検討した。実際には、1990年から1996年の間に、投教室で診断した悪性リンパ腫症例743例の病理組織標本をreviewし、5症例にHistological Conversionを認めた。そのうち2例は典型的なMantle cell lymphomaがDiffuse large B-cell lymphomaへとTransformしたものであった。免疫グロブリン重鎖の遺伝子解析では、いずれの症例でもTransform前後で同一であった。
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