1998 Fiscal Year Annual Research Report
IVR低コントラスト改善のためのフィルタK吸収端から最高管電圧までの解析
Project/Area Number |
09670919
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
越田 吉郎 金沢大学, 医学部, 助教授 (90020023)
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Keywords | IVR / K吸収端 / 低コントラスト改善 |
Research Abstract |
IVR装置において、低コントラストの組織を描出するには管電圧を低くすれば吸収係数が大きくなり変化分を大きくすることができる。しかし体厚が厚くなればK吸収端から最高管電圧までのエネルギーが増加するので、低コントラス描出の改善のためフィルタの材質の解析を行った。 (1) 既存のスペクトル測定装置により、IVR手技中におけるX線透視条件でのX線スペクトルの測定を行い、付加フィルタなしでのファントム厚変化によるX線線質の相違を解析したところ、ファントム自体がフィルタの役目をし、低エネルギー分の吸収が多くなっていることがわかった。また、水およびアクリルのスペクトルを見ると低エネルギーではアクリルのX線透過率が高く、高エネルギーではX線透過率が低い傾向にあった。厳密な比較を行うときにはアクリルに問題がある。 (2) 付加フィルタ装置により、K吸収端までのX線スペクトル解析を行った。アルミニウム、銅、ニオブ、モリブデンの付加フィルタを検討したが、stripping補正しないスペクトルでHubbellの質量減弱係数を使って求めても減弱の程度を相対的に比較できることが分かった。ニオブやモリブデンは低エネルギーでX線をよく減弱させ、高エネルギーでは透過率が高い。アルミニウムは同じ傾向であるがNbやMoの方が顕著である。銅はこれらの中間であった。 (3) 低コントラスト分解能テストツールにより、低コントラスト領域の示現能とX線スペクトルの関連性を追求した。増感紙のX線透過率を測定したが、40keVから70keVまでの領域ではオルソ系の増感紙がX線をよく減弱(吸収)し、それ以外の領域ではレギュラー系の増感紙がX線をよく減弱させることが分かった。
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