1998 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性肺疾患に対する高分解能MR撮像法の開発に関する研究
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09670926
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20127038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅士 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20179526)
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Keywords | MR画像 / 高分解能画像 / びまん性肺疾患 |
Research Abstract |
1. FOV一定時におけるマトリックスの画像に与える影響 昨年度の研究によって、伸展固定肺標本を用いたMR画像においては、T1強調画像が最も分解能の高い画像が得られたので、この画像を用いて、FOV、スライス厚を一定(12cm、2mm)にしてマトリックスを変化させた場合の肺野の画像の変化を検討した。対象は、正常肺、正常肺に生理食塩水を注入して作成した肺水腫、急性間質性肺炎の3種類である。256X160では正常肺においてバックグラウンドの雑音とは異なる肺野構造の網目が描出されたが、320X320ではより微細な網目が出現し、最高の分解能を求めた512X512では、逆に肺野の構造はほとんど描出されず雑音のみとなってしまった。実際の標本との比較では、このような構造はみられず、マトリックスに応じて呼吸細気管支や肺胞管といった構造が平均化され強調されてできた画像と考えられた。肺水腫では、320X320の画像で高信号域のなかに、嚢胞状の構造がみられたが、512X512では不均一な高信号としてしか描出されず、また、間質性肺炎の器質化に伴う気管支拡張像も320X320の方が明瞭に描出された。撮像時間を4倍にした512X512の画像においても画質の向上はほとんどみられなかった。HRCTの空間分解能を越えるマトリックスは現状の装置では肺野の高画質の画像を得ることは困難であった。 2. T2画像の可能性 伸展固定標本では、通常のT2画像(FSE法、SE法)では、肺野の構造はほとんど描出されず画像診断は困難であったが、間質性肺炎の器質化部分はほとんど信号が得られないのに対して、肺水腫は明瞭な高信号として描出されるので、T1強調画像と併用した場合には、線維化成分と浮腫成分の分離に役立つ可能性は残され、今後の検討課題である。
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