1998 Fiscal Year Annual Research Report
高安動脈炎の放射線診断学的研究-とくに急性活動期における胸部X線所見とその経過-
Project/Area Number |
09670959
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
松山 正也 東海大学, 医学部, 教授 (10055923)
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Keywords | 高安動脈炎 / 大動脈炎 / 鎖骨下動脈閉塞 / 脈なし病 / 胸部X線 / 肺動脈閉塞 / 下行大動脈の壁不整 / 大動脈癌 |
Research Abstract |
1. 急性高安動脈炎15症例(平成9年度に集めた10症例にさらに5例を加えることができた)の初診時の胸部単純x線所見で、(1)心拡大、(2)大動脈の拡大一上行大動脈、弓部、下行大動脈(3)下行大動脈外縁の変化(不鮮明、限局性突出、波状不整像) (4)左傍気管軟部陰影の幅(T-LSA)(5)その他(肺野の透過性と肺血管陰影、その他の異常陰影))につき、その後の経過を長期(4-20年)にわたって検討した。 また同時に行われた大動脈造影(n:15)、CT(n:1),MRI (n:1),肺血流Rlスキャン(n:11)と比較した。 2. 急性期の変化は、心拡大(20%)、上行大動脈の拡大(47%)、弓部の拡大(80%)、下行大動脈の拡大(40%)、下行大動脈外縁の不鮮明化(40%)、限局性突出(60%)、波状不整像scaloping(27%)であった。 3. T-LSAは初診時の患者群では30歳以下で1.7±0.3cm(平均値±標準偏差値)、31-40歳では2.1±0.7cmと正常コントロール群(それぞれ1.2±0.2cm,1.3±0.2cm)と比較して拡大傾向にあり、前者では統計学的に優位であった(p<0.05). 4. 経時的には下行大動脈の変化が最も著しく、1年以内に著しく変化したが、その後数年に亘って大動脈外縁が不整化した。石灰化は最短4年で写真上で指摘できた。 5. T-LSAも炎症の消退とともに急性期に縮小するものが多かったが、長期に渡って残存したものは左総頸動脈や左鎖骨下動脈に動脈瘤を形成したものであった。
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Research Products
(1 results)