1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670967
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
佐々木 徹 財団法人東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究員 (30158927)
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Keywords | 酸化的ストレス / 画像化 / 脳 |
Research Abstract |
(1)フリーラジカル生成の評価 [^<11>C]サリチル酸およびその誘導体を用いたOHラジカルの評価法の開発を試みた。2-bromomagnesiumanisoleを原料にグリニア試薬を調整し[^<11>C]CO_2を反応させ、[^<11>C]salicylic acid、[^<11>C]O-acetylsalicylic acid、[^<11>C]2-methoxybenzoateの合成に成功した。 (2)ミトコンドリア代謝の評価 イデベノンとイソプレノイド側鎖の無いCoQoのC-11標識化を試みた。イデベノンの脱メチル体は武田薬品より供与されたものを使用し、CoQoはLiAlH_4で脱メチル化したものを使用した。これに[^<11>C]CH_3Iを作用させ、[^<11>C]イデベノンと[^<11>C]CoQoの標識化に成功した。[^<15>O]酸素を利用した酸化的ストレスの核医学的評価法のための基礎検討を試みとして、[^<15>O]酸素ガスを用いたMt機能の評価を目的に、気相一固相オートラジオグラフィー法を開発した。これにより組織切片中の酸素摂取率の局在性の視覚化が可能となった。 (3)抗酸化的ストレス能の評価 [^<99m>Tc]meso-HM-PAOはミトコンドリア集積性を示すか?また、脳のグルタチオンを減らすような処理をしたときに[^<99m>Tc]meso-HM-PAOの集積が低下する細胞内画分はどこか?これらの疑問に答えるべく、脳細胞内画分への[^<99m>Tc]meso-HM-PAOの集積を調べた。その結果、[^<99m>Tc]meso-HM-PAOの脳集積のかなりの部分にミトコンドリアのグルタチオンがかかわっていることが明らかとなった。[^<99m>Tc]meso-HM-PAOは、脳のグルタチオン量を評価するトレーサになるばかりでなく、ミトコンドリア内のグルタチオン量を評価する良い指標となることが示唆された。
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