1998 Fiscal Year Annual Research Report
非定型痴呆におけるグリアのタウ陽性・嗜銀性構造物の免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
09670983
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
竹内 徹 名古屋大学, 医学部, 助手 (20236425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 雅文 , 助教授 (50184693)
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Keywords | グリアの嗜銀性構造物 / Thom-shaped astrocyte / Tuft-shaped astrocyte / Astrocytic plaque / Glial coiled body / Argyrophilic thread / Argyrophilic end-feet |
Research Abstract |
6例の非定型痴呆の死後脳を用い、ガリアス・ブラーク法、ビルショウスキー変法で染色し、得られたThom-typed astrocyte,Tuft-shaped astrocyte,Astrocyic plaque,Glial coiledbody,Argyrophilic thread類似の嗜銀性構造物をGFAP、タウの二重染色およびトランスフェリンを用い、免疫組織化学的研究をした。検索部位は海馬を通る前額断を基本とし、10μmの連続切片を用いた。その結果Thom-shaped astrocyteはグリオーシスの著明な大脳白質に多数みられた。Tuft-shaped astrocyte,Astrocytic plaqueは認められなかったが、それらと形態的に類似の嗜銀性構造物でGFAPに染まり、一部タウ陽性の太さの異なる線維からなる塊状の不定形の嗜銀性構造物が前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳皮質と皮質下白質にびまん性にみられた。大脳白質に認められたGlial coiled body類似の嗜銀性構造物はトランスフェリンで染色されなかった。Argyrophilic thread類似の嗜銀製構造物のなかには、全体がタウ陽性のものが前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳皮質・白質に多数認められ、またGFAPに染まり、部分的にタウ陽性のものが前頭葉・側頭葉・頭頂葉の大脳皮質に認められた。Argyrophilic end-feetがグリオーシスの強い領域に認められた。これらの結果は、非定型痴呆におけるグリアのタウ陽性、嗜銀製構造物の形態・出現が他の痴呆を呈する変性疾患とは異なるものと考えられる。
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