2000 Fiscal Year Annual Research Report
「産後うつ病の社会心理的危険因子に関する研究-母子相互関係とライフイベンツの関与-」
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09670984
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
乾 幸二 三重大学, 医学部, 助手 (70262996)
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Keywords | 産後うつ病 / 母子精神保健 / 母子相互関係 / 受療経路 / Key Informant / 質的研究 |
Research Abstract |
EUの産後うつ病の国際共同研究のworkshop(Keele1998、Paris1998、Tyro1999、)に参加して、産後うつ病の比較文化研究のトレーニング・ワークショップを受講し、高度な構造化面接法を修得した。SCID II(Structured Clinical Interview for DSM-IV(First et al 1996)の産後うつ病版はPhase Iで日本語版を完成した。さらに平成13年度5月にはFlorenceのworkshopにおいて日本におけるPathway,CSRI-PNDのパイロット調査では、産後うつ病に罹患した日本人女性では、1)発病から受療までの期間が欧米と比較して長期に及んでいる、2)母子保健と精神保健の保健福祉業務のギャップがあることを発表した。さらに同workshopではSCID-IIの日本語版の作成と妥当性の検討、Key Informantsの面接における日本の母子精神保健の関連した問題点を明らかにした。 Winicott Unitが作成したビデオを用いた産後うつ病の母親の母子相互関係においては産後うつ病群では対照群と比較分析したところ、愛着形成に問題があることが判明した。平成13年度のPhase Iのまとめとして、日本の産後うつ病に関した質的研究報告を英文で作成した。遅れているメンタルヘルス・ケアについては、平成13年4月にDublinでのworkshopで検討して報告書を作成する。 今後は、PhaseIを発展させ、大規模な対象に対するスクリーニングを行って、従来の国際共同メンバーによるPhase IIを平成13年度から開始する予定である。
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