1997 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期ストレスラットの感情障害の生物学的モデルとしての可能性について
Project/Area Number |
09670994
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
辻村 徹 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (70236892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 雅希 長崎大学, 保健管理センター, 講師 (70264223)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
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Keywords | 感情障害 / 胎生期ストレス / 動物モデル / モレアミン受容体 / 行動科学 / 抗うつ薬 |
Research Abstract |
幼少児期などのモノアミン系ニューロンの形成に重要な時期に受けたストレスと感情障害の生化学的脆弱性との関連性が考慮される。我々は妊娠ラットの妊娠後期に生理的食塩水を皮下注射するというストレスを負荷した母ラットより生まれた仔ラットをストレス群とし,特別の処置を加えない母ラットより生まれた仔ラットを対照群として,種々の検討を行った。ストレス群においては,前頭葉皮質におけるセロトニン_<2A>(5-HT_<2A>)受容体,β-受容体のup-regu1ation,抗うつ薬反復投与によりdown-regu1ationが早期に起こることから考えられるβ-受容体のhypersensitivity,HPA系の機能亢進,夜間行動量の変化と抗うつ薬の及ぼす効果など,ストレス群の感情障害の生化学的脆弱性モデルとしての可能性を肯定する知見が得られている。 オープンフィールドテストでは,segment enteredは雄雌ともストレス群で増加傾向がみられ,rearingは雄のストレス群で増加傾向がみられた。ビームセンサーによって行動量を計測するケージ設置型活動量測定装置を購入し,現在,行動量の詳細な検討を行っている。 5-HT_<1A>受容体は近年,抑うつ,不安に関して病因,治療薬の作用機序から注目されている中枢モノアミン受容体であるが,前前頭部皮質における5-HT_<1A>受容体結合実験では,1週齢,2週齢,4週齢において対照群とストレス群間でいずれも Kd値,Bmax値に有意差はみられなかった。自殺者の死後脳前頭葉における5-HT_<1A>受容体の down regu1ationが認められたとの報告がみられるが,胎生期ストレスラットの前前頭葉皮質5-HT_<1A>受容体については,対照群と比較してBmax値の有意な差はみられなかった。現在,成熟したラットにおいて,レセプターオートラジオグラフィー法を用い,海馬をはじめとする脳内の他の部位についての検討を行っている。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] T.Tsujimura, et al: "The effects of prenatal stress, on locomotor activities in Wistar male and female rats." Psychiat. and Clinical Nearesci.51・1. S97 (1997)
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[Publications] T.Tsujimura, et al: "Platelet serotoninz receptor binding in affective disorders." Psychiat. and Clinical Neurosci.51・1. S29 (1997)
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[Publications] 吉本静志, 他: "妊娠期ストレスの仔ラット脳内モノアミン受容体に及ぼす影響" 脳と精神の医学. 7・1. 11-14 (1996)
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[Publications] 冨松眞之, 他: "妊娠期ストレスと感情病脆弱性との関連について-Wistar系ラット,WKYラットの比較-" 精神薬療基金年報. 第28集. 125-132 (1997)
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[Publications] T.Asou, et al: "The effect of prenatal stress on the development of the rat aminergic receptors and behovior." Europ.Neuropsychopharma. 6・3. 111 (1996)
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[Publications] 中島聡, 他: "妊娠期ストレスが仔ラットの行動に及ぼす影響" 日本神経精神薬理学雑誌. 17・6. 283 (1997)
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[Publications] T.Tsujimura, et al: "Platelet serotoninz receptor binding in affective disorders." Europ.Neuropsychopharma.6・3. 129 (1996)
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[Publications] 冨松眞之, 他: "周産期ストレスによる感情障害モデルの作成" 精神薬療基金年報. 第27集. 108-115 (1996)
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[Publications] 冨松眞之, 他: "妊娠期ストレスの仔ラットへの影響" 日本神経精神薬理学雑誌. 16・6. 268 (1996)