1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670997
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
土山 幸之助 大分医科大学, 医学部, 助手 (80197730)
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Keywords | 抗うつ薬 / 遊離型血中濃度 / クロミプラミン / うつ病 / 高速液体クロマトグラフィー |
Research Abstract |
【研究目的】抗うつ薬は血中ではそのほとんどが結合型として存在するが、血液脳関門を通過し効果を発揮するものは遊離型と考えられている。抗うつ薬の有効血中濃度を問題にする場合、特に遊離型に着目した研究が重要と考える。そこで我々は抗うつ薬遊離型の有効血中濃度を検討し、あわせて抗うつ薬の効果発現時期や効果の予測因子を検討するものである。 【研究方法】抗うつ薬としてはクロミプラミン(CMI)を用いる。分析はクロミプラミンに加え,その代謝産物であるデスメチルクロミプラミン(DC)、 ヒドロキシクロミプラミン(HC)、デスメチルヒドロキシクロミプラミン(DHC)の測定も行うこととした。 (1)基礎的検討:測定方法としては高速液体クロマトグラフィーを用いる。イミプラミンを内部標準としてCMI及び上記代謝産物の標準物質を血漿に添加し測定する。(2)健常者での測定:健常者にCMI75mgを投与し、2時間後、4時間後、8時間後に採血し、CMI及び上記の代謝産物の測定を行う。 (3)うつ病患者での検討:CMI75mgを3日間投与し,その後150mgに増量し,4週間連続投与する。毎週ハミルトンうつ病評価尺度(HRSD)にて評価を行う。治療反応の基準はCMI投与開始前のHRSDに比べ,4週後のHRSDが50%以上低下している場合を反応あり(反応群),そうでない場合を反応なし(非反応群)とした。CM1 75mg服用時及びCMI連続4週間投与後に採血し,血中濃度を測定する。 【研究結果】(1)CMI及び代謝産物の保持時間はHDC:1.5分、HC:8.7分、IMI:11分、DC:12.7分、CMI:15分であった。アッセイ内変動、アッセイ間変動とも10%以下であった。(2)健常者の血清では上記物質の検出は可能であった。(3)うつ病患者25名にCMIの投与を行い,反応群11名,非反応群は14名であった。両群間で年齢,性には差はなく,治療開始前の重症度にも差はなかった。なお,両群間での血中濃度の違い,初期投与時からの抗うつ薬維持治療中濃度の予測,効果出現時期,結合型・遊離型に分けての検討については現在分析中である。
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