1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09670998
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Research Institution | Oita Medical University |
Principal Investigator |
永山 治男 大分医科大学, 医学部, 教授 (70100899)
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Keywords | 生体リズム / 概日リズム / セロトニンアゴニスト / 抗精神病薬 / 概年リズム |
Research Abstract |
1. 目的: 抗精神病薬およびセロトニンアゴニストの効果における概日および概年リズムの有無,存在する場合にはその様態と発症機序を解明する. 2. 方法: 恒温恒温で,厳密に明暗条件を調整した条件下で長期間飼育したウィスター系雄性ラットを用いて実験を行った.まず,薬物に対する用量反応の有無を確認した。その後,1日6時刻のいずれかにセロトニンアゴニストの8-OH-DPATを投与し,セロトニン症候群または体温低下作用を測定した.同様の実験を季節を変えて年間4ー5回反復して行った.これとは別個に,抗精神病薬のハロペリドールについて鎮静作用を指標に同様の検討を行っている. 3. 結果と考察: 8-OH-DPATのセロトニン症候群惹起作用は投与時刻に応じて異なり,その相違は概日リズムを形成し,さらに同概日リズムの位相は季節により異なり概年リズムを形成することが見いだされた.同薬の体温降下作用にも同様に概日リズムならびに概年リズムの存在が明らかにされた。両概年リズムには多少の相違があり冬期の体温低下が影響をおよぼしている可能性が伺われたが,基本的には指標の相違に直接左右される傾向はみられなかった。以上から脳内セロトニンレセプターの感受性には概日と概年の両リズムが存在することが強く示唆された.ハロペリドールについても上記と同様の実験が進行中である.
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