1997 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化窒素とスーパーオキサイドによる脳内ノルエピネフリン系神経伝達の調節
Project/Area Number |
09671006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新谷 太 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90276379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中木 敏夫 帝京大学, 医学部・薬理学講座, 助教授 (30164148)
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Keywords | 6-ニトロノルエピネフリン / ノルエピネフリン / 一酸化窒素 / COMT / 抗6-ニトロノルエピネフリン抗体 |
Research Abstract |
6-ニトロノルエピネフリンは中枢神経系内においてノルエピネフリンと一酸化窒素との反応によって生成されることが予想される新規生体内カテコラミンである。6-ニトロノルエピネフリンはノルエピネフリンの代謝酵素の一つであるCOMTの酵素活性を阻害することがわかっている。そこで、、内因性の6-ニトロノルエピネフリンが中枢神経系内においてノルエピネフリンの代謝回転を抑制しているのかどうかについて調べるため、6-ニトロノルエピネフリンに対する中和抗体を作製した。bovine serum albuminでハプテン化した6-ニトロノルエピネフリンをウサギに2週間隔で2回投与し、6から8週間後に採血を行った。血清中の抗6-ニトロノルエピネフリン抗体価は、ELISA法を用いて測定した。その結果、40,000倍希釈した血清まで抗6-ニトロノルエピネフリン抗体を検出することができた。また、6-ニトロノルエピネフリンのCOMT酵素活性阻害作用に対する作用について調べた。その結果、ELISA法から算出された抗体価に相当する力価の中和作用を確認することができた。さらに、抗体の抗原特異性についても検討した。抗原としてノルエピネフリンを用い、上記の方法で力価を調べた。その結果、抗ノルエピネフリン抗体価は200,000倍まで検出され、今回用いた免疫した抗血清は6-ニトロノルエピネフリンに対する特異性に乏しいことが明らかとなった。今後、抗血清をaffinity columnを用いることによって6-ニトロノルエピネフリンに対する特異性を上昇させることが必要であることがわかった。
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