1998 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病多発家系における6番染色体短腕遺伝子マーカーの解析:分裂病遺伝子の連鎖解析
Project/Area Number |
09671009
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐々木 司 帝京大学, 医学部, 助手 (50235256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南光 進一郎 帝京大学, 医学部, 教授 (60101127)
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Keywords | 分裂病 / 6番染色体短腕 / HLA / 分子遺伝学 / 相関研究 / 慢性関節リューマチ / DR・1 / DR4 |
Research Abstract |
近年、主に白人の家系を対象とした連鎖解析により、分裂病の遺伝子が6番染色体短腕領域に連鎖している可能性が示された。本研究は、その染色体領域における遺伝子マーカーを解析し分裂病と関連する可能性の高い遺伝子またはマーカーを同定することを目的に計画された。その後1996年の末に、この染色体領域に位置するHLAの遺伝子が分裂病と相関している可能性が、精神医学領域では最も信頼性の高い雑誌の1つであるAmerican Journal of Psychiatry誌に報告された。この報告は、以前にわれわれが観察した結果とも共通しており、また広く知られている分裂病と慢性関節リューマチとの相関関係とも一致した結果であったため、われわれも追試を開始した。その結果、以前にわれわれが観察した結果とも1996年の結果とも共通した知見が得られた。すなわち分裂病患者では健常者に比べてHLA-DR1の陽性率が有意に高く、DR4の陽性率が低い傾向が得られた。これは、同じ時期に筑波大のグループが発表した所見とも一致した結果であった。昨年度の報告では、この点を述べた。今年度はさらに例数を増やして知見の確認を進めている。また、この知見と慢性関節リューマチvs.分裂病の相関との関連性を調べるため、DR4のalleleをさらに詳しく解析した。その結果、慢性関節リューマチで増加しているalleleに関しては分裂病との相関が得られなかった。これについては、今後さらに例数を増やして検討する必要がある。この他、実際に分裂病のどのようなタイプがHLAと関連するのかを知るために、分裂病と正の相関が見られたDR1の陽性患者と陰性患者との間でさまざまな臨床特徴の比較を現在進めている。なお昨年度得られた知見に関しては、American Journal of Psychiatry誌に投稿し、1998年10月に受理されている。
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Research Products
(1 results)