1998 Fiscal Year Annual Research Report
アデニル酸シクラーゼ促進性ヒト5-HT4受容体の遺伝子構造ならびに機能調節機構
Project/Area Number |
09671013
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
松井 宏晃 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90181685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣井 朋子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (20238398)
|
Keywords | 5-HT_4受容体 / 5-HT_4受容体遺伝子 / 選択的スプライシング |
Research Abstract |
本年度は、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の構造解析を試みた。 (1) 平成9年度の研究で得たヒト5-HT_4受容体cDNAの翻訳領域断片を用いたゲノミックサザン解析では、ハイブリダイズする複数のEco RI断片が検出された。この結果は、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の、少なくとも翻訳領域に、イントロンが存在する可能性を示唆する。 (2) ヒト海馬、心臓、胎盤、小腸poly(A)^+RNAを用い、RACE法により単離した、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の5'および3'非翻訳領域の構造は組織特異性を認めた。この結果は、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の5'および3'非翻訳領域にもイントロンが存在することを示唆する。また、ヒト胎盤が5-HT_4受容体高発現の組織であることが初めて明らかになった。 (3) 本研究で得たヒト5-HT_4受容体cDNAの翻訳領域、5'および3'非翻訳領域断片をプローブに用い、ヒト胎盤ゲノムDNAライブラリーから、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の単離を試みた。現在までの解析では、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の翻訳領域には、少なくとも5ヶ所にイントロンが存在することがわかった。また、5'非翻訳領域にも、複数のイントロンの存在が明らかになり、5'-RACEにより得られた5'非翻訳領域cDNAの構造上の多様性に対応していた。さらに、3'非翻訳領域にも複数のイントロンが存在しており、3'-RACEにより得られた3'非翻訳領域cDNAの構造上の多様性に対応していた。従って、ヒト5-HT_4受容体遺伝子は5-HT受容体サブタイプの遺伝子の中では、最も断片化された巨大遺伝子であり、その全長は少なくとも、300-400 Kb程度あるものと推定される。現在、ヒト5-HT_4受容体遺伝子の全構造を明らかにするために必要な、連続したゲノムクローンの単離を試みている。
|
Research Products
(1 results)