1998 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺ホルモンの細胞内輸送担体cDNAの機能発現クローニング
Project/Area Number |
09671039
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
市川 和夫 信州大学, 医学部, 講師 (40159835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 高秀 信州大学, 医学部, 助手 (20192768)
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Keywords | 甲状腺ホルモン / 細胞内輸送 / 発現クローニング / ホルモン作用 |
Research Abstract |
レチノイドX受容体(RXR)ホルモン結合領域とGAL4 activation domainの融合蛋白、甲状腺ホルモン受容体(TR)とGAL4 DNA binding domainの融合蛋白を発現した酵母細胞(HFc7)がGAL4の下流のHisを甲状腺ホルモン(triiodothyronine; T3)依存性に活性化してHis非存在下で生存可能になる。従ってTRとRXRはDNAに結合しなくてもそれぞれのホルモン結合領域において二量体を形成できる事を明らかにした。酵母細胞には細胞内甲状腺ホルモン輸送担体が存在しないため細胞外T3濃度がTRとT3の結合親和性より100-1000倍高いことが必要で、T3濃度10^<-8>Mから10^<-6>Mで濃度依存性の変化を示す。ここへ輸送担体をコードするcDNAが発現した場合T3に対する感受性が増加し10^<-8>MのT3によりHis非存在下で生育が可能になることを指標にpositive cloneを拾い上げた。予備実験で、輸送担体非存在下に10^<-8>MのT3により生育してくるback groundを抑える条件を確立した。さらにdirectional cDNA libraryとcDNAの発現ベクターを作成した。既にいくつかプラスミド依存性にHis要求性を解除するcDNAクローンが得られている。これらのcDNAがコードする蛋白質の機能が細胞内T3輪送担体である事を確認することと、そのシーケンシングを行っている。これにより得られたcDNAのいくつかは細胞核内での甲状腺ホルモン発現に関与する蛋白質であった。 cDNAライブラリー発現ベクターの選択において、当初はpACT2(Invitrogenより購入)を改造して作成する予定であったが、その過程においてトラブルが生じ、実験の進行が遅れている。現在は宝酒造から新しく発売されたpAUR123を用いて順調に進んでいる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoru Suzuki: "3,5,3′-triiodothyronine potentiates all-trans-retinoic acid-induced apoptosis during differentiation of the promyeloleukemic cell HL-60" ENDOCRINOLOGY. 138. 805-809 (1997)
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[Publications] Tomoko Kakizawa: "Ligand-dependent heterodimerization of thyroid hormone receptor and retinoid X receptor" Journal of Biological Chemistry. 272. 23799-23804 (1997)
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[Publications] Akihiro Sakurai: "Ligand-and nuclear factor-dependent change in hydrophobicity of thyroid hormone β1 receptor" THYROID. 8・4. 343-352 (1998)