1998 Fiscal Year Annual Research Report
日本人インスリン非依存型糖尿病患者におけるグリコーゲン合成酵素遺伝子変異の重要性
Project/Area Number |
09671068
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Research Institution | Wakayama Medical Collage |
Principal Investigator |
南條 輝志男 和歌山県立医科大学, 医学部・内科学第一講座, 教授 (40164511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
英 肇 和歌山県立医科大学, 医学部・内科学第一講座, 助手 (40198784)
三家 登喜夫 和歌山県立医科大学, 医学部・内科学第一講座, 助教授 (20187305)
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Keywords | インスリン非依存型糖尿病 / 骨格筋グリコーゲン合成酵素 |
Research Abstract |
(1) 日本人におけるグリコーゲン合成酵素遺伝子M416V変異保有者の臨床的特徴についてインスリン感受性との関連において検討した。インスリン感受性はMinimalModel法におけるインスリン感受性指数(SI)を用いて評価した。その結果、NIDDM患者[V allele保有群(n=20):SI=1.21±0.29(Mean±SE)Vs V allele非保有者(n=60):SI=2.20±0.20、P<0.01]においても非糖尿病者[V allele保有者(n=7):SI=3.49±0.55Vs V allele非保有者(n=19):SI=5.94±0.66、p<0・05]においても・変異allele(V allele)を保有している者では有意にインスリン感受性が低下していた。 (2) グリコーゲン合成酵素遺伝子変異M416VをcDNAに導入し、Cos7細胞で発現させ、グリコーゲン合成酵素活性を測定(生理的濃度および高濃度のUDPグルコースを基質に用い、グルコース6リン酸の濃度を生理的および高濃度で測定)、野生型と比較した結果、本変異はグリコーゲン合成酵素活性およびそのアロステリックレギュレイションには影響しなかった。 以上より、グリコーゲン合成酵素遺伝子変異M416Vは日本人におけるインスリン抵抗性の原因になっていることが考えられた。しかし、今回の実験系ではその機序は明かにできなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 下村裕子 他: "「NIDDM,肥満の成因」グリコーゲン合成酵素とNIDDMの発症" 専門医のための糖尿病学レビュー'98-'99. 76-81 (1998)
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[Publications] 下村裕子 他: "日本人NIDDM患者における骨格筋グリコーゲン合成酵素遺伝子ミスセンス変異" 分子糖尿病学. 8. 69-73 (1997)
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[Publications] 下村裕子 他: "「インスリン作用の分子機構」グリコーゲン合成酵素の構造と活性化機構" Diabetes Frontier. 9. 609-614 (1998)
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[Publications] Orho-Melander M et al: "Expression of naturally occuring variants in the muscle glycogen synthase gene." Diabetes. 48. in press (1999)