1997 Fiscal Year Annual Research Report
NOD/scidマウスと造血支持細胞株MS-5を用いたヒト造血幹細胞定量系の開発
Project/Area Number |
09671111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相馬 俊裕 大阪大学, 医学部, 助手 (40273619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 豊吏 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
三宅 正剛 大阪大学, 医学部, 助手 (60294097)
小川 啓恭 大阪大学, 医学部, 講師 (80194447)
岡 芳弘 大阪大学, 医学部, 助手 (20273691)
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Keywords | 造血前駆細胞 / NOD / Scid / 臍帯血 / 可溶性IL-6受容体 |
Research Abstract |
1)NOD/Scidにたいするヒト造血前駆細胞の生着実験条件を決定した。 最初に全身照射量を2.5Gyに定めた。照射直後に骨髄細胞を単核球に分離しMS-5やヒト造血支持細胞の存在下で皮下、腹腔内に注入したが充分な生着は得られず、また成人末梢血幹細胞を1x10^8個静注したところCD3が生着しGVHDらしき症状で死亡した。次にCD34陽性細胞に純化し1x10^6個の細胞を静注したが安定的に生着せず、CD34陽性細胞1x106個に加え、1x10^8個の照射したヒト末梢血単核球を同時に静注すると良好な生着をみ以下この条件を採択した。 2)NOD/Scidを用いた幹細胞の定着系を開発した。 ヒトY遺伝子の存在比率をヒト細胞1-10%存在下のマウス末梢血をDNAのPCR解析でX染色体とY染色体の比率を定量的に測定する系を開発した。この定量法を用いてヒト臍帯血を多数プールし男由来と女由来の臍帯血を分けてCD34陽性細胞を精製し様々な比率で前述の条件でNOD/Scidに生着させ8W後に解析した。NOD/Scid中のヒト男女由来の細胞の比率は骨髄細胞、コロニー形成細胞とも8週後に保たれていることが判明しこの方法で少なくともSRU(Scid Repopulation Unit)を定量的に測定、比較しうることが判明した。 3)造血前駆細胞の増幅の試み 前述の方法にて培養開始前と6日間培養した臍帯血を競合させNOD/Scidに静注し培養開始時よりSRUが増加しているかどうかを検定した。サイトカインとしては可溶性IL-6受容体+IL-6+SCF+FLT-Lを用いた。解析は現在進行中である。 4)NOD/Scidを用いたレトロウイルスの感染効率の改善 ヒト造血幹細胞に対するレトロウイルスの感染効率が劣悪なため良好な感染条件探索法を開発した。これは2種類のレトロウイルスベクターの競合PCRの系を開発し、同一造血細胞を2分し感染条件を変えた2種のレトロウイルスを感染させ前述のNOD/Scidに生着させ、8週後生着造血組織をPCR解析しどちらの感染条件が優れているかを検定する系である。これを用いて現在最適サイトカインの組み合わせを探究中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] INOUE,K: "Aberrant Overexpression of the Wilms tumor gene in human Leukemia" Blood. 89. 1405-1412 (1997)
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[Publications] Dunbor,CE: "Transduction of hematopoietic stem cells in humans and in non human primates"