1998 Fiscal Year Annual Research Report
NOD/Scidマウスと造血支持細胞株MS-5を用いたヒト造血幹細胞定量系の開発
Project/Area Number |
09671111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
相馬 俊裕 大阪大学, 医学部, 助手 (40273619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 豊吏 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
三宅 正剛 大阪大学, 医学部, 助手 (60294097)
岡 芳弘 大阪大学, 医学部, 助手 (20273691)
小川 啓恭 大阪大学, 医学部, 助教授 (80194447)
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Keywords | 造血幹細胞 / 臍帯血 / 体外増幅 / NOD / Scid |
Research Abstract |
1)NOD/Scidに対するヒト造血前駆細胞の生着条件を決定した。 全身照射2. 5Gy単独の前処置でMS-5等の骨髄支持細胞なしにCD34陽性細胞を照射した成人末梢血幹細胞とともに静注することで良好な生着を得た。2)NOD/Scidマウスを用いたヒト造血幹細胞の定量系を開発した。 ヒトY遺伝子の存在比率をマウス血液中のヒト細胞1%以上の生着で定量できるPCRの系を開発した。これを用いpoolし様々な性比で混合の上マウスに移植したヒト臍帯血細胞の土着状況を解析したところ移植ヒト細胞の性比は8週後のマウス骨髄、骨髄内コロニー形成細胞、CD34,CD19陽性細胞の各分画で保たれており定量法の開発に成功した。 3)造血前駆細胞の体外増幅の検定 もっとも上位の造血前駆細胞に作用すると思われているサイト力インを組み合わせて体外培養後本方法にて造血幹細胞の増幅の有無を検定した。 i>IL-6,可溶性IL-6受容体、FLT3ligand,TPOを加え6日間体外培養した結果ではLTCIC等の従来の前駆細胞測定法では増加がみられたが本検定法では培養後細胞は著しく土着能力が劣っていた。 ii〉サイトカインの組み合わせをIL-6-IL-6Receptorboundprotein,FLTligand,SCFに変更し、培養期間を4日に短縮したがやはり培養によって生着能力は障害を受けていた。 4)結論 我々の研究で明らかになったことは体外増幅を従来の検定法では判断できないこと、及び本定量方法の有効性である。体外増幅した細胞を患者に戻すことが十分な検定を経ないまま実行されつつあるが実際に培養した細胞が培養前の細胞と直接比較できる方法は本方法以外に存在せず、本測定法の普及を願うものである。
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Research Products
(1 results)